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漆黒と純白・番外編

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「ねぇ湾さん、この前のビデオ何か撮れた?」

耳当てを外し手で反動で乱れた髪をとかすエリザベータが湾に問う。
ふわりと揺れる金かかった髪の毛からは湾と共同で使っているシャンプーの匂いがした。

「あぁ、撮れたヨ!しかも、18禁手前!!」
「本当!?」

途端に二人の表情が明るくなりそしてきゃっきゃと興奮したのか騒ぎ始めた。
何の話題かというと二人でアジトのそこら中に仕掛けてある隠しカメラのことである。
当然ながらトップの菊にも内緒だ。
もはや二人の趣味に到達しているだろう。
二人は盗撮や盗聴の類いが得意な為、組織の人間にも見つかり難い。
そして腐女子な湾とエリザベータはある日撮れた菊と耀の真夜のセックスシーンに二人の関係が分かってしまった。
確かに耀はよく夜中に出回っているが湾やエリザベータから始まり周りの人間は誰一人怪しまなかった。
まさかこんな事をしていたなんて。
二人は兄弟だと聞いていたが裏ではこんな関係になっていたとは!
しかも弟と言っていた菊が耀を押し倒し、そして攻めていた。
ウハウハと興奮した二人はそれ以来毎日ビデオチェックを欠かさずに行う様になったのだ。

「キスは何回かあったケド、ここまで来たのは久しぶりで興奮してるヨー!」

カメラは映像のみなので近くに盗聴機も仕掛け、それを同時再生させればもう完璧である。
湾はその動画をSDカードに移し、そしてエリザベータに渡すのだ。
その反対もまた然り。
当然何度も見付かりそうになった事はあるが、SDカードならカモフラージュにもなる上、見つかっても極秘任務だと言えば皆怪しまない。
湾は左内ポケットからプラスチックのケースに入ったSDカードを取り出すとエリザベータに渡した。
それを受け取ったエリザベータは大事そうに握り締めそしてじたばたと足踏みをした。

「早く夜中にならないかなぁ!見たくてたまりません!」
「もー凄いヨ?菊さんが先生にあんなことや、こんなことを…」
「あー、ネタバレ禁止!!」
「ごめんネ!思わず…。」

射撃場に女二人分の笑い声が高らかに響き渡ったのだ。








「へくしゅっ」
「おや、耀さん、風邪ですか?」
「否…一瞬寒気がしたある…」
「奇遇ですね。私もです。もしかして誰かが私達の噂話でも?」
「冗談止めるよろし、あと、仕事中に押し倒すなある菊。」



(終)
作品名:漆黒と純白・番外編 作家名:菊 光耀