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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第5話

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 初仕事はすぐにやってきた。
それは、高速道路の建設に絡んだ汚職だった。
 地上本部の建設課長が工事費を水増しし、着服、それを知った部下を殺害したものだった。
さらには、その金が一般評議会議員にも流れていたのだ。
「殺しの的は、ケヴィン議員、建設課長、議員秘書のサマンサ、議員のボディーガードが3人や」
「私が議員を殺ろう」
 シグナムがそう言った。
「あたしは課長を殺す」
 ヴィータが答える。
「私は秘書のサマンサを仕留めます」
 シャマルがそう言った。
「俺たちはザコを一人ずつだな」
 ザフィーラがリィンとアギトにそう言って指示を出した。

 仕事が始まった。

 職場を出た建設課長が、帰り道を歩いていく。
その後ろを付けていたヴィータが、先回りして待ちかまえる。
「ねえ、おじさんちょっと……」
 そう言って人気のない路地へ誘い出した。
そこで突然変身したヴィータは、ラケーテンハンマーを振り下ろした。
 それから約1時間後、夜9時になろうとしていた。
 議員の事務所に電話が掛かってくる。
「もしもし、あんたの汚職の秘密を知ったんだが、取引しないか?」
 近くの公衆電話から掛けたのは、ザフィーラだった。
議員は、ボディーガード達に拳銃やドスを持たせて殺す様に命じた。
 取引場所の工事現場に現れたのは、ボディーガード達と秘書だった。
待っていたのはザフィーラ、そしてザフィーラの背中に隠れる様にアギトとリィンが居た。
 相手は一人だと思ったのだろう、ドスを持った二人が襲いかかった。
瞬間、肩の上に現れたリィンとアギトが、それぞれ魔法をお見舞いする。
一人は凍り付いて砕け散った。
もう一人は、火だるまになって、やがて黒こげの死体となった。
 残る一人が拳銃を撃つも、それはザフィーラに弾を掴まれてしまった。
「こんな物じゃあ俺は殺せない」
 一瞬にして間合いを詰めたザフィーラは、拳銃を取り上げると、相手の首を掴んだ。
そして、そのまま首をへし折って殺害した。
 秘書はその場を逃げ出した。
しかし、その先ではシャマルが待っていた。
 少し前の出来事だった。
シャマルは、クラールヴィントに口付けして、ペンデュラムを出していた。
片方のペンデュラムを口にくわえると、キリリリリリとワイヤーを伸ばす。
「お願いね」
 そう言って、ペンデュラムを放った。
ペンデュラムは一旦上に向かって飛び、鉄骨を超えるとまた降下して、相手が来るのを待ち構えていたのだ。
秘書を感知すると、飛んでいって一瞬で首に巻き付いた。
 一気に締まったワイヤーが、秘書を吊り上げていた。
シャマルの白い指先が、ワイヤーを「ヴン」と弾く、それで相手は絶命した。


 議員は間抜けにも、まだ事務所にいた。
あれから、誰からも連絡がないのだ。
 コンコン
「誰だ?」
「秘書のサマンサさんのお使いです、すぐに来て欲しいそうです」
 ケヴィン議員がドアを開けた瞬間だった。
 ズドッッ!
 彼の胸を一突きに剣が貫いていた。
「すぐにあの世へ、来て欲しいそうです」
 こうして、リィンもアギトも仕事人となったのである。


あれから、1年弱、もう二人は一人前の仕事人だった。
もう誰かに背中を借りるでもなく、堂々と戦う事の出来る、立派な仕事人だった。





第5話 完