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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第68話

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  第68話 「一目惚れの転校生」


  先日の生態兵器事件以降、東京湾一帯に特別警戒態勢が敷かれ、日夜超AIチームのブレイヴ・フォースが警戒にあたっていた。だが、依然として状況は進展せずに時間が流れていた。

  その一方で、別の脅威も社会の影でうごめく。日が沈みきった浅い夜の時間帯。この時間帯こそ魔女が活発に活動を始める時間帯だった。

  聡と琢磨がさやかに付き添う形でパトロールに同行する。聡は律の、琢磨は聡の又聞き話で彼女が魔法少女だという事を認識していた。

  さやかの背後でこそこそと話す琢磨と聡。

  琢磨 (何で俺まで誘ったんだよ??)

  聡 (だっていい感じだったからさ〜・・・ぶっちゃけ、琢磨も意識してるんじゃないのか??)

  内心、気にしてないといえば嘘になる。顔を赤くして絶句する琢磨。

  琢磨 (・・・・〜!!!)

  聡 (それにねーちゃんが言ってたんだ。行くなら琢磨つれてってやれってな!)

  琢磨 (ええ?!それってどーいう・・・?!)

  さやかは歩きながらふと口にした。こそこそと話していた二人はびくっとなった。

  さやか 「・・・始めて魔法少女になったときも、こうやってパトロールしたなぁ・・・。」

  聡はひじで琢磨を突きながら催促する。

  聡 (!!!・・・・ほら、答えてやれ!!!)

  琢磨 「!!!・・・・へぇ〜・・・って言っても俺達が同行しちゃっていいの??」

  さやか 「え??ま、まぁね・・・・いてくれれば心強いし・・・。」  

  さやかの気持ちは原点回帰というべきか、琢磨と出会って以降、確実に変わっていた。さやか自身も「もう、誰も巻き込まない、巻き込みたくない」と決めていたはずだった。だが、今は琢磨達にいてもらいたいという想いが強まる傾向にあった。

  おそらく、律の優しさに触れた影響だろう。そのコトが本来の彼女が少しづつ戻ろうとしているのかもしれない。

  琢磨 「そっか・・・俺は戦う力は確かにねーけどさ、やっぱ、ほら・・・男だからなんかしらやれることあっかもって思えるんだ・・・俺も俺なりにさやかちゃんの力になれたらいいな〜・・・あれ??何言ってんだろね?俺??」

  聡 「なーにガチガチになってるんだ??」

  琢磨 「な?!べ、別にガチガチになってるわけじゃ・・・!!!」

  ぎこちなくグダグダになる琢磨。だが、さやかは笑いをこぼす。

  さやか 「くすっ・・・(笑)。」

  聡&琢磨 (笑ったぁああああああ!!!)

  彼女が見せた笑顔にドキンとなる聡と琢磨。さやかが見せた笑顔は今までのイメージのギャップがたまらないくらいに写った。だが、そこからしばらく歩いた後にさやかは歩を止めた。  

  さやか 「っと・・・・もっとお喋りしたかったけど、結界みつけたから後でね・・・!!」

  さやかが視線を向けた先には異次元の歪がパリパリとなってスパークしていた。

 

  結界内で魔女と遭遇するさやか達。80年代のセーラー服から多数の腕が生えた魔女だった。魔女はエリマキトカゲのような使い魔を放つ。

  さやか 「来るっっ・・・下がってて!!」

  聡と琢磨にそう叫んださやかは、魔法少女へと変身する。変身のお約束で、彼女の裸体モーションが聡と琢磨の目に飛び込む。

    キュアアアアアアアン・・・

  聡&琢磨 「―――――!!!」

  顔から湯気を出して真っ赤になる少年二人。その内に二人の鼻から鼻血が出てきた。

  聡 「見たかっ・・・・琢磨っっ!!!」

  琢磨 「あ・・・・・ああ・・・ごくっ・・・!!!」

  初めて見る同年代の女の子のそういった姿を目にしてしまった聡と琢磨。だが、状況的にそれどころではないのは言うまでもない。

  さやか 「何ぼーっとしてるの?!早く下がって!!」

  聡&琢磨 「は、はいっ!!!」

  変身して振り返ったさやかが、聡たちへ下がるように促す。何故か二人はビシッと敬礼しながら下がっていった。

  さやか 「はあああああ!!」

    ギャザアアアアアンッッ!! ズバッシュッ、ザバアアアアアアンッ!!

  聡&琢磨 「おおお〜!!」

    シャキンッ・・・・・ヒュッ、ズバシュッ、ザバスンッ、ズギャアアンッ!!!

  突入した異次元の中で使い魔を鮮やかな剣捌きで撃破するさやか。その勢いで魔女に飛び掛る。

  さやか 「はぁああああああ!!!」

  セーラー服の魔女 「・・・・!!!」

  魔女は飛び掛るさやかに多数の腕を伸ばして襲い掛かる。不意を突かれてしまったさやかは攻撃を喰らって吹っ飛ばされてしまう。

    ドドドドドドドドガガガガアアアアアア!!!

  さやか 「きゃぁああっっ・・・!!!」

  琢磨 「さやかちゃんっっ・・・・っくっ!!!」

  琢磨はいても立ってもいられず、飛ばされて落ちる彼女を受け止めにいく。

    ドサアアアアッッ!!

  さやか 「っ・・・!!」

  琢磨 「うおおっ!!!」

  彼女を受け止めたまではよかったが、琢磨はそのまま地べたに仰向けに倒れてしまう。

  さやか 「・・・・・う、受け止めてくれたの?!!」

  琢磨 「お、おう・・・・。」  

  さやかの下敷きになった琢磨。コトの他嬉しそうだった。

  さやか 「ごめんっ・・・・ありがとうっ・・・!!!」

  さやかはそう言うと、起き上がってブレードを構えなおす。そして魔力を放って、勇者で言うところのチャージアップを始めた。彼女の力がみなぎる。

  さやか 「はぁあああああああっっ!!!」

    ヴィギャアアアアアアアアアッッッ!!!

  琢磨 「うおっ?!」

  巻き起こる風圧。さやかのソードが、光りとスパークを纏う。そしてぐっと構えたさやかは、凄まじい勢いでダッシュ。否、瞬間移動といってもよいだろう。

  その速さに琢磨も「るろ剣」の剣心の神速にあやかった呟きをする。

  琢磨 「すっげ・・・・まるで神速だぜ!!!」

  聡 「いや、神速を超えた神速・・・縮地だっっ!!!」

  琢磨 「―――?!・・・・・・マンガ見すぎだな、俺達・・・!!」

  それはさておき、さやかに迫る多数の腕。だが今度はさやかが先手を打つ。

  さやか 「おりゃああああああああ!!!」

    ザザザザザザギャシュンッッ・・・・・ザギャシュドォッ!!!

  高速の剣撃が腕を斬り落として突き進むさやか。聡は熱くなりながら一言放つ。

  聡 「飛天御剣流・・・・龍巣閃っっいや、九頭龍閃っっ???どっちでもいーや!!!」

  琢磨 「まさしくっっ・・・・!!!」

  ボケめいた会話をする聡と琢磨ではあるが、技の性格上まさしくそれに匹敵するものだった。瞬く間に、魔女に乱舞の剣撃が到達。加えられた攻撃が魔女を切断する。

    ズギャギャギャガガガガァァッッ!!!

  魔女 「??!」

  さやか 「ぶっこわれろおおおおおお!!!」