二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第68話

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

  撫子 「う、うん・・・平気だよ。チョット疲れてるだけだから。」

  そうはいうものの明らかに苦しげにも思える様子だった。彼女の身体には冷汗が滲み出ている。

  琢磨 「それじゃ今日の所はもう早く帰ろう。いこうぜ。」

  聡はそんな撫子が気がかりになってならなかった。




  帰宅後、撫子の事をラガンに話す。どうやらラガンの星にも男女というものはあるらしいということが判った。

  ラガン 『そうか、そうか!!その女の子に惚れてしまったわけだ!!青春じゃないか!!』

  聡 「ああ。って、ラガンにも恋愛経験あんのかよ?!」

  ラガン 『ああ!!結構あるぞ!!俺達の種族にも男女はあるからな!!』

  聡 (余り想像したくないっていうか、想像できネーナ・・・。)

  ラガン 『聡!!漢なら、勇者ならその恋、貫き通せ!!!俺も応援するぞ!!!』

  そこへ律がハンバーグを持ってきた。

  律 「ほーい、あんたの好物のハンバーグ出来たから持ってきたぞー。」

  ラガン 『これは、これは、おねーさん!!ごちになります!!!』

  律 「何の話してたんだ?」

  聡とラガン 『漢の話しっ!』

  聡とラガンがサムスアップし合ってキラーンとニヤつく。

  律 「おとこ・・・??それよりもだ。今、さやかちゃんがシャワー浴びてるから覗くなよな?」

  聡 「いっ??!や、やらねーよそんなこと!!!」

  ラガン 『あー、この前に居候で入ったって言う女か!!聡!!覗きはサイテーだからな!!!』

  聡 「だからやらねーって言ってんだろがっっ!!!」




  数時間後、すっかり夜も更けた頃、近所の羅顔神社の隣にある廃神社で、撫子が1人で不穏な行動をしていた。白い蛇を何体も殺し、なんだかの儀式をしている。

  撫子は、息を切らしながら懐中電灯で分厚い本を照らす。体中に冷汗が出ている状態だった。

  撫子 「はぁ、はぁ・・・・この蛇の呪い・・・今夜中になんとかしないと・・・・!!!」

  廃神社の壁に蛇を串刺しにして押し付けるとなんだかの呪文のようなものを唱え始めた。呪文を唱え終わると撫子は、独り言でこの街に来た本当の理由を呟いた。

  撫子 「私は・・・・ほんとは・・・前の学校のクラスの子に呪いをかけられたから、この街に逃げるように転校したんだ・・・・うううっ・・・・あああ!!」

  苦しげな表情を浮かべる撫子。彼女は掛けられた蛇の呪いを解く為の儀式をしていたのだ。次の瞬間だった。「何か」が撫子を締め付け始めた。

    ギギギギ・・・・!!

  撫子 「うあうっ・・・・・あああああっ・・・・はぁああああ・・・!!!」

  悲痛な悲鳴をあげながら苦しみ始める撫子。「何か」は容赦なくキャシャな体を締め付けていく。

  呪ったものを執拗なまでに苦しめ、やがては絞め殺す・・・どういう経緯でこのような呪いが及んだのかは定かではないが、子供のする行為としては行き過ぎたものだった。

  誰もいない境内で悲鳴がこだまする。境内の階段を下った向かいの通りには、近所のコンビニへ行こうとしていた田井中姉弟とさやかが歩いていた。

  律 「そんじゃー家帰ったら夜食パーティーと行きますかっ!」

  さやか 「いいっすね〜!それ!」

  聡 「ああ・・・・ん・・・?!」

  律 「んー?どうした?聡。」

  聡 「今、神社の方から悲鳴みたいなのが・・・。」

  律 「悲鳴・・・・?」

  次の瞬間も悲鳴のようなものが聞こえた。それは律にもわかった。行動派の律は早速向かおうと試みる。

  さやか 「・・・本当だ!!それに・・・・結界のようなものもある・・・魔女??でも、魔力は感じないな・・・??」

  聡 「おう!!とにかく行こうぜ!!!」

  田井中姉弟とさやかが境内に向かう階段を駆け上がっていく。近づくにつれて、悲鳴の大きさが増していく。

  明らかに何かに苦しんでいるような声だった。二人が辿り着くと、撫子の身体から見え隠れする巨大な白い大蛇が暗闇で光りながら立ち昇っていくものを垣間見た。

    ドォドォドォドォオオオオオオオオ!!!

  律 「なんだ、ありゃああ?!蛇?!!」

  さやか 「魔女じゃない??!」

  聡 「倒れている子は一体・・・うおっ!!」

    ゴッ・・・・!!

  波動的な風圧が、律と聡、さやかを押しとめる。この瞬間に見え隠れする大蛇は、撫子から完全に剥離。境内の木をなぎ倒しまくりながら暴れる。これに巻き込まれた撫子が吹っ飛ばされて宙を舞う。

  聡 「やべぇ!!!」

  聡は走って撫子が落下する前に受け止めようとする。この時聡は、気の隙間から照らされる月明かりによって初めて撫子であることに気づいた。

  聡 「撫子ちゃん?!!」

  さやか 「っくっ!!」

  さやかは瞬時に魔法少女へと変身。マントをなびかせて宙を舞う撫子をキャッチして着地する。

  律 「ナイスだぁ!!さやか〜!!」  

  聡は、撫子を抱えたさやかに駆け寄った。

  聡 「撫子ちゃん!!!」

  さやか 「このコ、知り合いなの?!!」

  聡 「え?あ、ああ。今日転校してきた転校生のコで・・・でも、わけわかんねー・・・なんで、今日、好きになっちまった子がこんなめに遭ってんだ!!?」

  さやか 「好きなんだ?このコのこと・・・。」

  聡 「あああ?!!しまった!!!口滑った!!!」

  さやか 「聡君と律さんは下がってて!!あたしが相手するから!!!」

  撫子をそっと聡に託し剣を振り払って構えるさやか。この時、心底誰かの為に戦いたいと奮い立っていた。

  夜の街中の山に現れた大蛇は、完全に実体化していた。とぐろを巻きながら、聡達の方へと見下ろすように鎌首を持ち上げる。

  蛇怪・蛇切り縄  「シャアアアアアアアア・・・・!!!」

  聡 「おおお・・・・撫子ちゃんが・・・俺の腕の中にっ・・・でも、やるしかねー・・・そして、絶対ぇに許さねぇ・・・・!!!」

  さやかの後ろで、聡は初めて抱きかかえる好きな女の子にドキドキさせつつ、理不尽な存在に睨みを効かせた。


  つづく