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　　第６９話　「月下の闘志、唸るドリル！！！」


　　実態化、かつ巨大化した蛇怪は、さやかを無視して、撫子を抱えた聡に牙を向ける。頭ごと聡に突っ込む蛇怪。

　　蛇怪　「シャギャアアアアア！！！」

　　さやか　「ちいっ・・・！！！」
　　
　　　　ドォアアアアアアアアアア・・・・！！！

　　律　「聡ぃいいい！！！」

　　律が叫ぶ。その時、さやかが割って入り、渾身の一撃を蛇怪の頭部に叩き込んだ。

　　さやか　「やらせないっっ！！！おりゃあああああ！！！」

　　　　ズディギャアアアアアアンッッ！！！

　　蛇怪　「シャアアアアア？？！」

　　咆える蛇怪。さやか自身、初めて魔女以外の敵に攻撃した瞬間だった。

　　さやか　「っしゃっ！！まだまだあああ！！！」

　　　　ギャギャギャシャアアアアアンッッ！！！

　　連続斬りを叩き込んで、さやかはジャンプして一旦後退した。蛇怪はダメージに怒り、牙をむき出してさやか目掛け飛び掛かる。

　　蛇怪　「キシャアアアアアアア！！！」

　　さやかはジャンプしてこの攻撃をかわす。境内の地面が突っ込んだ牙によって粉砕する。

　　　　ディギャガアアアアアアンッッ！！！

　　その背後に着地し、さやかはダッシュしてかけだす。そして再度ジャンプし、一刀を叩き込む。

　　さやか　「はあああああああ！！！」

　　　　ズヴァギャアアアアアアンッッ！！！

　　蛇怪　「ギャシャアアアアアアア？？！」

　　頭部にソードが直撃。そこから必殺の滅多斬りの乱舞をした。

　　さやか　「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃああああああ！！！」

　　　　ザザザザザザギャシャシャシャアアアアンッッ！！！

　　ズタぼろになった蛇怪の頭部。さやかは魔力を放ってソードをチャージアップさせる。刀身が魔力で光り輝く。

　　　　ギュドォオオオオオオッッ・・・ギュヒアアアアアアアアア・・・・！！！

　　さやか　「・・・・・でっりゃああああああああ！！！」

　　　　ザギャシャアアアアアアアアアアンッッッ・・・・ヴァズドォゴガアアアアアアアアア！！！

　　聡　「すげー・・・・ん？！」

　　撫子　「うッ・・・ううう！！・・・うあ、うあ、ああああああああああああああ！！！」

　　爆砕する蛇怪。さやかも勝利を確信してソードを収める。だが、その時。聡が抱えていた撫子が再び苦しみだし、二体目が撫子から出現。三人に凄まじい風圧が吹きかかる。

　　　　ギュオオオオオオオオオオオオッッ・・・・！！！

　　聡　「なんだよ？！！こいつは・・・・？？！」

　　律　「うあ・・・！！？」

　　さやか　「もう１体いたの？！！」

　　だが、蛇怪は放出される勢いと共に街の方へと出現してしまった。蛇怪は木をなぎ倒しながら、街の方へと進撃を開始する。夜の１０時を回った街に破壊の轟音が響き渡る。家々の家屋が破壊されていく。

　　　　ドォドォドォドォガガアアアアアアア・・・バギャラガガガドォオオオオ！！！

　　出現した蛇怪は、ロボットが相手にしてもよいだろうというほど巨大であった。

　　さやか　「っ・・・・街に化け物がっ！！！それにあの大きさッ・・・！！！」

　　廃神社の階段から蛇怪を睨む聡。腕の中で苦しむ撫子。一目惚れしたコを苦しめる妖(あやかし)・蛇怪・・・・聡の怒りのボルテージが更に上昇する。

　　聡　「絶対ぇ逃がさねぇ！！！姉ちゃん、さやかちゃん！！撫子ちゃんを頼む！！あいつは俺が仕留めてやるっっ！！！」

　　さやか　「え？！！」

　　律　「戦うのかっ・・・！！！」

　　さやかはまだグレンラガンのことについてほとんど聞かされていなかった。聡のトンでも発言に戸惑う。

　　さやか　「な・・・聡君は生身の人間でしょ？！！あんたこそ下がってなきゃ！！あれはあたしが討つからっ！！」

　　聡　「・・・・俺、闘えるんだ！！俺には闘う相棒がいるんだっ！！それに大きさからしてあれは俺の相手だっっ！！！」

　　律　「聡っ・・・。」

　　律の中で以前の闘う聡の姿が浮かぶ。正直、年が離れた弟を危険な場所へ送り出すのは、姉としてとてもすんなり出来たことではない。いざとなれば勇士朗達を呼べる。

　　だが、今の状況、直ぐにどうにかできるのは聡か、さやかしかいない。更には、弟の惚れた撫子が危険な状況下にある。律は漢として闘おうとする聡に戦いを許可した。

　　律　「いってきなっ、聡！！さやかはここで私らを守っててくれない？場所も場所だし。」

　　さやか　「律さんっ・・・うん！わかった！」

　　聡はニヤっと笑うと拳を夜空にかざして叫んだ。

　　聡　「出ろおおおおおおおお！！！ラガアアアアアアアアン！！！」

　　　　ドォオオオオオオオオオンッッ！！！

　　ラガン　『おっしゃああああああ！！！』　　

　　さやか　「はぁァああ？？！」

　　次元ゲートを突き破ってラガンが登場した。廃神社の斜面に着地するとラガンは事情を聞く。

　　ラガン　『聡っ、一体なんだアレは？！！』

　　聡　「ヘビって言う動物の化け物だ！！！しかも、妖怪っぽい！！！」

　　ラガン　『ヨウカイ？？なんだそれは？？』

　　聡　「ザックリ言えばエネルギー生命体の一種みたいなもんだ！！！てか説明してる時間ないぜ、ラガン！！！」

　　ラガン　『そうだな、御託はいらねぇなっ！！！出ろおおおおお！！！グレエエエエエン！！！』

　　額からエネルギーを撃ち放って、グレンを召喚する。グレンの口が開き、聡が中へと飛び込む。

　　聡　「でやぁああっっ！！！」

　　コックピットの空間へと入る聡。続けてラガンが飛び立つ。

　　ラガン　『でりゃああああ！！！』

　　下半身をドリルモードにしてグレンの頭上に突き刺さって合体する。合体すると、強靭な腕、脚が飛び出して巨大化する。ラガンの頭部に三日月状の飾りが形成された。

　　ラガン　『フォーム・アアアアアップッッ！！！』

　　コックピット内では全体にわたって外の映像が映し出される。夜だけあって、モニターには夜景が広がる。

　　そして、ブレイブ・トレースシステムが作動。聡とグレンラガンの動きが同調する。

　　聡　「グレン、ブレイヴ・トレース！！！」

　　気迫を撃ち飛ばしながらグレンラガンが大地に立つ。

　　グレンラガン　『ドリル度胸合体、グレンラガンッッ！！！』

　　グレンラガンは神社のある山からジャンプし、蛇怪の背後に着地した。

　　グレンラガン　『とああああっっ！！！』

　　聡　「でりゃあああああ！！！」

　　　　ズガアアアアンッッッッ！！！　

　　後方から響き渡る轟音に、蛇怪はすぐに振り向いた。牙を見せつけながら開口し、威嚇する。

　　蛇怪　「シャアアアアアアアア！！！」　　

　　グレンラガンは蛇怪に向かって指を刺し、聡が怒りを吐き捨てる。