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第１２話　ヴァイス絶叫

　その日、クラナガン市内には数多くの覆面捜査官が配置されていた。
実はあの密談は覗かれていたのだ。
　ただ、襲撃の正確な場所と時間が分からない、それ故通報を受けた１０８部隊やなのは、シグナム、ヴィータと言った精鋭達までが
変装して市内に張り込んでいたのだった。
覗いていたのはヴェロッサ＝アコース査察官である。

　だが事件は起きてしまった。
人出が多くごった返す繁華街にトラックで乗り付けた３人は突然にマシンガンを乱射して次々に市民を虐殺し始めた。
すぐにシグナムが駆け付けるがもう既に３０人近くが倒れていた。
「臥龍一閃！」
犯人達はあっという間に手足を切り飛ばされて逮捕された。


「ラグナ！おいしっかりしろ！おい！」
　ヴァイス＝グランセニックだった。
彼の妹は友達と出かけてきていたのだが、この事件に巻き込まれたのだった。
彼もまさか自分の妹が来ていようとは思わなかったのだろう、しかも目の前で撃たれて倒れたのだ。
「……おにいちゃ……ん？」
　鮮血に濡れた手を彼の顔を確認するかの様に差し伸べるも、それは叶わず崩れ落ちた。
「ラグナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」
　彼の悲痛な絶叫がビルの谷間に響き渡った。
　結局、２１人が犠牲となり７人が入院する大事件となった。
しかも犯人達を引き渡すよう評議会派の執務官がしつこく申し入れてくる。
「人のヤマを横取りしないで欲しいわね！」
　フェイトがそれを突っぱねる、ぎりぎりの攻防が続いていた。

「フェイトちゃん、あいつらまだ吐かんか？」
　ここは１０８隊隊舎特別留置室、取り調べが続いている。
「なかなか頑固者ね、簡単には口を割らないか……」
「じゃあ、ロッサ、お願いや……」
　ヴェロッサが３人の頭にそれぞれ手を突っ込んだ。
「オルネライア執務官……それ以外は全て適当に市内を襲撃する様指示されただけだ、他には何も知らされて居ない」
「じゃあこいつら使い捨てか？困ったなぁ、親玉が知りたかったやんやけど……そうや、良い事思い付いた」