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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第13話

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 変わって高町家、二週間ほど前になるだろうか?
フェイトの様子が何か変なのだ、別段取り立ててどうと言う事はないのだが、何となく雰囲気が違う、
何だか、ヴィヴィオと接する態度と言うか視線を微妙に外していると言うか何かがおかしいのだ。
 あの晩血の臭いをさせて帰ってきた晩から変なのだ。
 なのはは、血の匂いに非常に敏感だった。
人には言えない高町家の秘密、彼女の実家にはとんでもない秘密があるのだ。
そう、彼女の家には地下室がある、それも相当な広さの地下室、死体処理施設まであったりする。
 幼少時代、時々怖い人たちが来訪しては地下室へお通しして消えて貰うことがあった。
その度に父は、兄と姉は凄まじい血の臭いをさせていた。
嗅ぎ慣れた血の臭いすぐに分かった。
 執務官としては当然戦闘をする事は当たり前だろう。
だがその結果は悲惨なものだったと想像が付いた。
だからこそ聞くに聞けない親友の事情、いつか話してくれるまで待つしかなかった。

 ヴィヴィオもまた何かしらのフェイトの変化を感じていた。
いつもと変わらぬ優しいフェイトママ、だけど何か雰囲気が変わった様な何となく違う感じ。
笑顔に力がないというか心からの優しい笑いではないというかどこか心がここに無い様な感覚、何か悲しい黒い陰を感じていた。
「ねえ、フェイトママ、何かあったの?」
「何もないよ、ヴィヴィオ」
 そう言って笑い返した笑顔の後の一瞬、とてつもなく悲しい目をヴィヴィオは忘れないだろう。

 フェイトは、未だに迷っていた、鬼になりきれない自分に、罪の意識をヴィヴィオに看破されたあの瞬間自分の罪の重さに打ちのめされた。
これが地獄の始まりだった。
 
 もし、修羅と化したままの自分で何人か斬り殺していたら、恐らくはもう二度とヴィヴィオの顔を見る事すら出来なかっただろう。
せめて仕事と割り切れる様に配慮してくれたはやての心遣いに感謝するしかなかった。
だが、自分は仕事人を選んでしまった。
そのことに苦悩し、傷付き、それを抱えて一生生きなければならない地獄、「もはや後戻りは出来ない」と言われた言葉が重くのし掛かっていた。
 子供の素直さというのは実に残酷である。
素直であるが故に簡単に心の中を覗かれてしまう。
「何かあったの?」と聞かれた時「何もない」と笑顔で返したものの、その一言は酷く彼女の心を抉っていた。
 夜中に一人、自分のベッドの中で涙を流して耐えるフェイトの姿があった。
その姿はあまりに儚げで触れればそのまま消えてしまいそうな弱々しい幻の様な姿だった。
 それでも彼女は戦うだろう?いつかこの地獄から抜け出せる日が来ると信じて……