必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第13話
翌日夕方、レティ提督は自分の屋敷へリムジンで移動していた。
突然魔力弾が飛んでくるがそれを読んでいたかの様にかわす。
後ろの方で一般車両が巻き込まれて爆発する。
路肩に停車すると回りを10人の魔導師に取り囲まれた。
リムジンから降りてきたのは二人のボディーガードだった。
「佐藤さん、マイケル、二人ぐらいは生かして捕らえなさい、後は好きにして結構です」
「佐藤、提督のお願いはお前に任せた、俺は6人引き受ける」
そう言うとマイケルは銃を抜いた。
パ~~~~~ン
1発の銃声がした時6人が頭をぶち抜かれて死んでいた。
マイケル・モーガン 50才、元シークレットサービス、全米に6人いると言われるSix on one の使い手である。
「さて、俺の相手はどいつかな?」
佐藤氏が4人の前に立ちはだかる。
佐藤氏の日本刀は通常より一尺長い、かなりの間合いを持つ居合い刀である。
刀の鍔に親指が掛かっている。
「さあ、誰でも良いぜ、掛かってきな」
相手は舐められていると思ったのだろう?剣のデバイスを持った男が対峙した。
「お前も抜け、そのままならそれでも良いが斬って捨てるぞ」
そう言って佐藤氏の間合いに入ってきた。
距離的にはまだ届かないと思ったのだろう?しかし、居合いの間合いは見た目以上に広い、槍の間合いに匹敵するほどだ。
居合いの間合いに入ったのは不味かった、彼が斬りかかろうとした瞬間佐藤氏が視界から消えた。
次の瞬間佐藤氏は彼の後ろにいた、それだけでなく刀を構えて他の3人と対峙していた。
剣のデバイスの男は振り向いて佐藤氏に斬りかかろうとしたが、その瞬間デバイスが二つに分離し、自分の体も二つになっていた。
神速の居合いがなせる技であった。
宮ノ内流と薩摩流の違い、同じ示現流でも初太刀が違う、宮ノ内流は居合いから入る事が多いのだ。
3人は何が起きたのか分からなかった、気が付いた時には仲間が一人真っ二つになっていた。
そして、見た事のない構えで刀を構えているのだ。
もし逃げようとして背中を見せればその場で即斬り殺される、かと言って戦ったとしても勝てる見込みはゼロに等しかった。
選択としては投降するか、全員で攻撃するか、誰か一人を犠牲にして逃げるくらいなものだった。
だが投降すれば、恐らくこの襲撃計画がばれて自分たちも仲間に殺されるだろう。
結局選択したのは全員攻撃だったが勝てるはずもなかった。
杖を構えた瞬間、佐藤氏は3人の真ん中に飛び込んでいた。
刀を返すと3人を一瞬で峰打ちにした。
佐藤氏 45才 宮ノ内示現流8段 師範 神速の太刀は御神流に匹敵する。
リムジンは3人を収容すると7人の死体を残して走り去ったという。
第13話 完
作品名:必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第13話 作家名:酔仙