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こらぼでほすと 十一月6

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 にぎにぎと大きなおにぎりを製作している親猫は、顔色も良いし元気そうな声だ。ちまちまと大皿に並べられているおかずは、弁当のものらしい。坊主は、ちょいちょいとツマミ食いしながら新聞に目を通している。
「やりすぎじゃないか? ニール。」
「いや、そうでもない。ハイネも居るから、昼も結構、量は必要なんだ。・・・顔は洗ったか? 」
「まだだ。」
「じゃあ、顔を洗って、悟空の手伝いをしてこい。洗濯を干してるはずだ。」
「了解した。」
 大皿から、タコさんウインナーを摘んで口に入れると、黒猫も踵を返す。それを見送って、寺の夫夫は視線を合わせて微笑んでいる。なんてことのない日常が、寺夫夫の担当だ。だから、何気ない普通の朝であればいい。いつものように、お弁当を渡して送り出す。これといって特別なことはしない。すぐに、また逢えるし、今度は危険なこともない。
 と、思っていたら、結構、大騒ぎがあったのだけど。 それは、今のところ、誰も予想もしていなかった。

作品名:こらぼでほすと 十一月6 作家名:篠義