26歳会社員をSAOにぶち込んでみた。 第一話
友人に、とあるネットゲームを勧めた。
実際、それに悪気はなく、純粋な善意だった。
そのネットゲームは俺がベータテストから目をつけていて、実際プレイしたら面白かった。
バーチャルリアリティ、その言葉のために存在するようなネトゲを目の当たりにして、俺は思ったね。
ついに、ネットもここまで来たか、って。
だがまぁ、流石に、それがこんなことになるとは思わなかった。
今まで数多くのネットゲームをやってきた俺でも、こんなことは初体験だ。
「以上で、ソードアートオンラインの正式サービスのチュートリアルを終了する」
そんな言葉を放つ赤いローブを着た大男を前に。
混乱する広場の真ん中で、俺はただ一人、唖然としていた。
ソードアート・オンライン ディラック
さて、今の状況を整理しよう。
俺は今、ソードアート・オンラインとかいうネットゲームにINしている。
こいつはベータテストからやってたネットゲームだ。
非常にリアルなネットゲームで、五感の殆どがゲーム内のキャラクターに反映されている。
と言っても、痛みとかそういうのは感じない、そこはあくまでもゲームということだ。
しかし腹は減る、こいつはゲーム内の食べ物を食えばどうにか飢えをしのげるらしい。
まぁ某ゲームでいうスタミナってやつだろう。
このゲームは魔法とかそういった類のもはない。
故に、マジックポイントが存在しない。
ゲーム名のソードアート、というところからもそれが来ているんだろう。
てことは敵とは大体ガチンコでやりあわなきゃいけないわけだ。
まぁぶっちゃけ、それはいい、それは了承した基本知識だ。
だが問題は別。
赤いローブを着た大男が言った自称チュートリアルのふざけた内容だ。
この世界では、HPが0になると死ぬらしい。
このゲームにログインするためのデバイス、まぁムーヴギアとかいう特殊なもんだが。
形状的にはヘルメット、いわゆる、ジェットヘルに近い形状をしている。
その中に色んなもんが詰まっているらしく、このゲームをプレイする上で重要な脳波のスキャンニングも行っているらしい。
それを利用すれば、それをつけてる俺らの脳がレンジでチンされたみたいになるっつー話だ。
まぁ、これは近くにいた中学生くらいのやつと、頭にバンダナつけたやつが話してたのを小耳に挟んだんだが。
ぶっちゃけ、周りがそれについて結構喚いてるが……。
いや、俺はどうでもいいよ、そんなもん。
寧ろ、仕事行かなくてずっと公認でゲームできるならめっけもんだろ。
確かにデスゲームというのは恐ろしい。
敵に殺されたらマジで死ぬ、プレイヤーキラー(PK)でも死ぬ。
こっちがPKしたら逆に人殺しだ。
だがそれがどうした。
元々楽しむためにゲームを買ったんだから、楽しまなきゃ損だろ。
ナーヴギアだって、ゲームだって結構したんだぜ……。
なけなしの給料から払って……。
いや、これはしめっぽくなるからやめよう。
因みに俺は二十六歳、中小企業平社員、手取り十五万、彼女いない、ヲタク。
こっちの世界でのキャラクター名、『Arusu』。
名前の由来は某ゲームのキャラ。
因みにメジャーな方じゃなくてマイナーな方のドラマCD。
っと、そんな自己紹介や現状把握はこれくらいにしよう。
まずはゲームを進めないといけない。
さっきのやつの説明、いや、さっきのやつはゲームマスターなんだっけな。
とにかく、このゲームは全部で100層あって、1層ごとにボスが存在するらしい。
100層目のボスを倒せばゲームクリア、晴れてゲームから開放ってことらしい。
まぁんなことは望んでないが、やることはやるべきだな。
てことでまずはレベル上げだ。
俺はこの瞬間までにレベル2まで上げている。
通常MMOと同じく、最初だからということで、すぐに上がった。
しかし普通に考えろ。
100層まであるとして、おおよそ、そこまでのレベルの限界は100~150ってとこだろう。
てことは、レベルに関して鬼門がある。
通常MMOでの鬼門レベルというのは基本、30、50、70、80、100、120くらいだ。
ライトユーザーは30あたりでやめる。
少しやりこんでも、50あたりで伸びが悪くなり、やめていくやつが増える。
70、80という数字は、大体ここまでやりきったという達成感によりやめたりする。
あとは職業があるネットゲームだと、このあたりで上級職だ。
てことで、それを当てはめると。
10、15あたりが最初の鬼門か。
ほら、マジなMMOってレベル制限がなかったり、1000だの200だの999または転生システムだったりするから。
こういう低レベルで終わるMMOは逆に珍しい。
てことは暫くの目的はレベル10だな。
ということで、狩場の確保と、PTメンバーの確保だが。
まず、この街周辺はダメだ、狩場争いになる。
レベル上げには最適じゃない。
だからこそ、次の街、その次の街までがんばって行ってレベルを上げるのがセオリー。
だが、それをわからない馬鹿ばっかってわけじゃないだろう。
早めの行動がよさそうだ。
正直コミュニティ能力があんまりある俺ではないが、死活問題だからな。
ここは、勇気を振り絞って、適当なやつに声をかけるとしよう。
幸い、今いる広場は、人が多い。 選び放題だ。
早速、近くにいた高校生くらいの兄ちゃんに声をかけてみる。
「自分とPT組んでみません?」
「な、なんだアンタ……。 今それどころじゃないだろ……!」
なんだかドン引きされてしまった。
しかもあろうことか今それどころじゃないとか、もう論外。
今こそそれどころだって……。 動かないでどうすんの……。
じゃあ、そっちにいる小太りの兄さん。 ちょいとくだけた感じで行ってみるか。
「なぁ兄ちゃん、PT組もうやぁ……?」
「ハァ!? 何言ってんの!? つか何その態度。 人に頼む態度ってもんがあるだろ!」
うあ、うぜ、まぁ、確かにマナーがなってないのは認めるけど。
いやー、こいつとは組みたくないな。
じゃあ、ここはちと別な場所で……。
丁度よさそうな、俺と同じくらいの兄さん。
「あの、PT組みませんか?」
今度は紳士的な態度で言ってみる。
「あ、え、いや、あの、ちょっと……」
キョドりっぱなし。
まぁ、俺も人から話しかけられたらこうなるんだろうな……。
なんか同属嫌悪だ……。
じゃあー、そこの女の子!
あまり可愛いとは言えないぜ、眼鏡っ子。
「そこの君。 PT組みません?」
「え、なんですか……?」
すっげぇ嫌悪の目で見られた。
やっぱ異性はダメか、そりゃそうだよなー。
つか俺も逆に緊張するわ。
そんなことを思って振り向くと。
あれ……さっき断った小太りのやつ、PT組んでるっぽいぞ……。
どういうことなの……。
しかも、高校性くらいの兄ちゃんもなんだか人と集まってるじゃないか。
……俺、完全にぼっちだ。
何、何なの、俺が何をしたの?
ああ、くそ、俺の顔が憎い、ブサメンが憎い。
自分のコミュ障っぷりが凄く憎い。
実際、それに悪気はなく、純粋な善意だった。
そのネットゲームは俺がベータテストから目をつけていて、実際プレイしたら面白かった。
バーチャルリアリティ、その言葉のために存在するようなネトゲを目の当たりにして、俺は思ったね。
ついに、ネットもここまで来たか、って。
だがまぁ、流石に、それがこんなことになるとは思わなかった。
今まで数多くのネットゲームをやってきた俺でも、こんなことは初体験だ。
「以上で、ソードアートオンラインの正式サービスのチュートリアルを終了する」
そんな言葉を放つ赤いローブを着た大男を前に。
混乱する広場の真ん中で、俺はただ一人、唖然としていた。
ソードアート・オンライン ディラック
さて、今の状況を整理しよう。
俺は今、ソードアート・オンラインとかいうネットゲームにINしている。
こいつはベータテストからやってたネットゲームだ。
非常にリアルなネットゲームで、五感の殆どがゲーム内のキャラクターに反映されている。
と言っても、痛みとかそういうのは感じない、そこはあくまでもゲームということだ。
しかし腹は減る、こいつはゲーム内の食べ物を食えばどうにか飢えをしのげるらしい。
まぁ某ゲームでいうスタミナってやつだろう。
このゲームは魔法とかそういった類のもはない。
故に、マジックポイントが存在しない。
ゲーム名のソードアート、というところからもそれが来ているんだろう。
てことは敵とは大体ガチンコでやりあわなきゃいけないわけだ。
まぁぶっちゃけ、それはいい、それは了承した基本知識だ。
だが問題は別。
赤いローブを着た大男が言った自称チュートリアルのふざけた内容だ。
この世界では、HPが0になると死ぬらしい。
このゲームにログインするためのデバイス、まぁムーヴギアとかいう特殊なもんだが。
形状的にはヘルメット、いわゆる、ジェットヘルに近い形状をしている。
その中に色んなもんが詰まっているらしく、このゲームをプレイする上で重要な脳波のスキャンニングも行っているらしい。
それを利用すれば、それをつけてる俺らの脳がレンジでチンされたみたいになるっつー話だ。
まぁ、これは近くにいた中学生くらいのやつと、頭にバンダナつけたやつが話してたのを小耳に挟んだんだが。
ぶっちゃけ、周りがそれについて結構喚いてるが……。
いや、俺はどうでもいいよ、そんなもん。
寧ろ、仕事行かなくてずっと公認でゲームできるならめっけもんだろ。
確かにデスゲームというのは恐ろしい。
敵に殺されたらマジで死ぬ、プレイヤーキラー(PK)でも死ぬ。
こっちがPKしたら逆に人殺しだ。
だがそれがどうした。
元々楽しむためにゲームを買ったんだから、楽しまなきゃ損だろ。
ナーヴギアだって、ゲームだって結構したんだぜ……。
なけなしの給料から払って……。
いや、これはしめっぽくなるからやめよう。
因みに俺は二十六歳、中小企業平社員、手取り十五万、彼女いない、ヲタク。
こっちの世界でのキャラクター名、『Arusu』。
名前の由来は某ゲームのキャラ。
因みにメジャーな方じゃなくてマイナーな方のドラマCD。
っと、そんな自己紹介や現状把握はこれくらいにしよう。
まずはゲームを進めないといけない。
さっきのやつの説明、いや、さっきのやつはゲームマスターなんだっけな。
とにかく、このゲームは全部で100層あって、1層ごとにボスが存在するらしい。
100層目のボスを倒せばゲームクリア、晴れてゲームから開放ってことらしい。
まぁんなことは望んでないが、やることはやるべきだな。
てことでまずはレベル上げだ。
俺はこの瞬間までにレベル2まで上げている。
通常MMOと同じく、最初だからということで、すぐに上がった。
しかし普通に考えろ。
100層まであるとして、おおよそ、そこまでのレベルの限界は100~150ってとこだろう。
てことは、レベルに関して鬼門がある。
通常MMOでの鬼門レベルというのは基本、30、50、70、80、100、120くらいだ。
ライトユーザーは30あたりでやめる。
少しやりこんでも、50あたりで伸びが悪くなり、やめていくやつが増える。
70、80という数字は、大体ここまでやりきったという達成感によりやめたりする。
あとは職業があるネットゲームだと、このあたりで上級職だ。
てことで、それを当てはめると。
10、15あたりが最初の鬼門か。
ほら、マジなMMOってレベル制限がなかったり、1000だの200だの999または転生システムだったりするから。
こういう低レベルで終わるMMOは逆に珍しい。
てことは暫くの目的はレベル10だな。
ということで、狩場の確保と、PTメンバーの確保だが。
まず、この街周辺はダメだ、狩場争いになる。
レベル上げには最適じゃない。
だからこそ、次の街、その次の街までがんばって行ってレベルを上げるのがセオリー。
だが、それをわからない馬鹿ばっかってわけじゃないだろう。
早めの行動がよさそうだ。
正直コミュニティ能力があんまりある俺ではないが、死活問題だからな。
ここは、勇気を振り絞って、適当なやつに声をかけるとしよう。
幸い、今いる広場は、人が多い。 選び放題だ。
早速、近くにいた高校生くらいの兄ちゃんに声をかけてみる。
「自分とPT組んでみません?」
「な、なんだアンタ……。 今それどころじゃないだろ……!」
なんだかドン引きされてしまった。
しかもあろうことか今それどころじゃないとか、もう論外。
今こそそれどころだって……。 動かないでどうすんの……。
じゃあ、そっちにいる小太りの兄さん。 ちょいとくだけた感じで行ってみるか。
「なぁ兄ちゃん、PT組もうやぁ……?」
「ハァ!? 何言ってんの!? つか何その態度。 人に頼む態度ってもんがあるだろ!」
うあ、うぜ、まぁ、確かにマナーがなってないのは認めるけど。
いやー、こいつとは組みたくないな。
じゃあ、ここはちと別な場所で……。
丁度よさそうな、俺と同じくらいの兄さん。
「あの、PT組みませんか?」
今度は紳士的な態度で言ってみる。
「あ、え、いや、あの、ちょっと……」
キョドりっぱなし。
まぁ、俺も人から話しかけられたらこうなるんだろうな……。
なんか同属嫌悪だ……。
じゃあー、そこの女の子!
あまり可愛いとは言えないぜ、眼鏡っ子。
「そこの君。 PT組みません?」
「え、なんですか……?」
すっげぇ嫌悪の目で見られた。
やっぱ異性はダメか、そりゃそうだよなー。
つか俺も逆に緊張するわ。
そんなことを思って振り向くと。
あれ……さっき断った小太りのやつ、PT組んでるっぽいぞ……。
どういうことなの……。
しかも、高校性くらいの兄ちゃんもなんだか人と集まってるじゃないか。
……俺、完全にぼっちだ。
何、何なの、俺が何をしたの?
ああ、くそ、俺の顔が憎い、ブサメンが憎い。
自分のコミュ障っぷりが凄く憎い。
作品名:26歳会社員をSAOにぶち込んでみた。 第一話 作家名:憑唄 或