水ぬるむ
「…おっさんの生命も時間も人生も、みんな受け取ってやるから。
アンタの抱えてるモン、全部俺に寄越せ」
「ん…あげる。
おっさんの、ぜ〜んぶユーリにあげる…」
「良い子だな、おっさん。
お望み通り、他の奴が入る隙間なんかないくらい、アンタの中俺で一杯にしてやるよ。レイヴン」
抱き合い密着させた身体に互いの体温を感じながら、レイヴンの耳元で名前を囁く。
ユーリに抱かれ囁かれた、耳をくすぐる優しい響きに体内の熱を煽られて、レイヴンが身をよがらせた。
「ん…っ、ふぁ…、やぁ…っ、…ユーリ、もう元気になってる…」
「若いから」
「さっき出したばっかでしょーが。
…おっさんもう若くないんだからさ…んっ、お手柔らかに…頼むわよぉ」
「止めろ、とは言わないアンタが好きだぜ」
「お互い様。…んっ、あ…ゆー、りぃ…」
「レイヴン」
「ユーリ…」
「愛してる」
ぬかるむシーツに溺れる身体。絡ませた視線も蕩かす甘い睦言。