魔法戦記リリカカルなのは To be tomorrow
第6話 エピローグ・スバルの大演説
11月の某日、公聴会が始まった。
レティは、その演説の中で、首都防衛構想を、強力無比な遊撃部隊の新設とし、人材育成の為の学校を開校する。
今後は、質の高い人材を管理局に提供することを第一とする、と言う運営方針を打ち出した。
そして表彰の後、
「ではここで、4人の英雄を代表してスバル・ナカジマさんに演説をお願いしたいと思います」
「ええ!?聞いてませんよ、原稿も準備してないし……なのはさん……」
スバルは涙目だった。
「おい、高町、何故伝えていない?」
「良いんですよ本部長、どうせ原稿準備したって噛み噛みでろくに喋れやしないんだから、
スバル、こういう時は、あの日何があったのか、自分たちに何が必要だったのか、
自分の言葉で思いの丈を聞いてる人たちにぶつけておいで、そうすればきっと良い演説になるから」
こちこちに緊張したスバルが演台へ歩いていく、演台の前の段差でど派手にこける。
大爆笑が起きるが、それでかえって緊張が解けた様だった。
スバルは語り始めた、あの日現場で見たこと感じたこと、命の現場に何が必要なのか?
召喚魔導師がいれば何が出来るのか?
召喚魔導師の必要性がどれほど高いのか?蕩々切々と語った。
その演説はだんだんと熱を帯び、気が付けば1時間にも及ぶ大演説となっていた。
しかし、誰も演説を止めたりはしなかった。
終わってみれば、もの凄い拍手の嵐だった。
スバルの大演説は、地上本部に於いて後世に語り継がれることになる。
そして、この演説の果たした役割は大きかった。
数年後、召喚魔導師を各部隊に配置し、戦闘や救助のやり方が大きく見直され、命を落とす者が極端に減っていった。
この功績から、彼女は16年後、防災局長(日本で言えば、消防庁長官)にまで出世することになる。
これが、スバルの伝説と呼ばれる様になるのは、まだ先の話。
公聴会の翌日から、なのはとヴィータは多忙を極めることになる。
教員の確保を済ませて、すぐ研修に入らなければならなかったのだ。
4月の開校を目指して……
晩秋の空が青かった、どこまでも澄んで、どこまでも高かった。
春~なのはの学校が開校した~いろいろな人々の願いや想いが、ここに一つの形となって。
特別戦技教導学校~誇称:School~またの名を、エリート養成所。
なのはの新しい物語が始まる。
To be Continued
作品名:魔法戦記リリカカルなのは To be tomorrow 作家名:酔仙