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yamatoへ…Ⅰ

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進の手は何かを探してるかのように宙をさまよっていた。

  「進、進!どうした?兄さんはここにいる!」

守は進の宙をさまよう手を握り必死に呼びかけている

  「頼む…兄さんを一人にしないでくれ…」

守のほほに涙が伝う


進の息の乱れ方がひどかったので医師は薬で眠らせた


  「…今晩がヤマだと思ってください。彼の生きようとする気持ちを信じましょう。」


ICUでいくつものチューブにつながれてかろうじて生きている弟…半日前笑顔で別れたのが嘘のようだった。

  「地下都市に移る前に兄さんに会ってくる」

そう言って弟の進は母の作った稲荷寿司をもって兄、守のいる寮へ面会に行った。守も事前に連絡をもらっていたので休暇を取って待っていた。
進が家に戻ったらその足で地下都市に向かうと聞いていたので少しでも長く地上の空気を吸いたいとわがままを言ってしまって一本リニアを遅らせてしまった。


古代兄弟の故郷は遊星爆弾によって何もない無の地になってしまった

作品名:yamatoへ…Ⅰ 作家名:kei