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yamatoへ…Ⅴ

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<月基地-2>

「これだけ人がいると“戦艦”って感じしますよね。」

進は少しコーフン気味にそう言った。

  「そうね…訓練だとまた少し違うもんね。いつもの事だけど新しいメンツが揃うと緊張する
   わ。うまくまとめて行けるかしら、とかきちんと飛んでくれるかしら、とかね。」

水田は休憩室で飲み物を二本買うと一本を進に渡して

  「ここ、落ち着かないから私の部屋にいらっしゃいな。士官室だから少し広いの。」

そう言って居住区へ向かって歩き出した。食堂から居住区はとても近い

  「遠慮しないで入って。」

進はキョロキョロしながら水田の部屋に入った。進達の寮の部屋の倍ほどあり簡易シャワー
室が付いていた。冷蔵庫の上に電子レンジが置いてある。

そして…やはり男の部屋と違っていい香りがする…

  「ね?広いでしょ。オマケっぽいけどエアーシャワーも付いてるの。残念ながらトイレが
   ないのよねぇ…あ、私のデスクのイスに座って。」

水田はベッドに腰かけながら飲み物のふたを取り一口飲むとサイドテーブルに置いて立ち
上がった

  「そうそう、お腹空いたわよね。でも戦艦の中って宇宙食でしょ?だから昨日の帰りに
   お惣菜買って帰ったの。それでいいかしら?」

水田はそういいながら冷蔵庫に入ってるお惣菜を電子レンジに入れてスイッチを入れた

  「出来あがるまでちょっと待っててね♪」

しばらく待つとベッドのサイドテーブルは食べ物でいっぱいになった。恐らく4人前ぐらい…

  「古代くんたくさん食べると思ってたくさん買ったの。残さないできれいに食べてね。」

そう言うと“頂きます”と言って食事を始めた。みるみる皿はきれいになっていく…軍人は
早食いが得意…二人はアッといまに食事を平らげてしまった。
小柄な水田は普通の人より小食なので進の食欲をみて圧倒されていた

  「ごちそうさまでした」

進が手を合わせてそう言うと

  「さすが伸び盛りは食べ盛り…ね。気持ちがいいくらい食べてくれるわね。」

そう言って笑いながらきれいに片付いた器を片付け始めたので

  「ごちそうになって…それは私がします。」

進はひったくるように器を取ると一つ一つ重ねて分別して水田が用意してくれた袋に分けて
入れた。

  「今度はいつ…こうして会えるのかしら…」

水田がベッドに腰かけてそう言った。

  「新しい艦隊は新しく建設された火星基地に向かって出発するわ…そこでもう一つの
   艦隊と一緒に火星に最終防衛ラインを作るみたいなんだけど…あの飛んでくる遊星
   爆弾すら撃ち落とせない火器でどう防衛するのか…私たちは捨石なのではないか…
   ってそう思えてしょうがないの…でもその前にこの艦隊がどれほど協力し合える
   のか…そっちも心配だわ。」
  「水田チーフ…」
  「ごめんなさいね、こんなこと古代くんに言う事じゃないってわかってるけど…こんなこと
   純さんにも言えないしね…」

純とは秋山の事である。


作品名:yamatoへ…Ⅴ 作家名:kei