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GANTZ Paradise Lost 田中星人篇

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昨日の縦ロールの少女だった。
黄色いパーカーを羽織り、フリルの付いたスカートからは青いレギンスが覗く。
片手には紙バッグを提げている。

「え・・・まあ、そうだけど・・・・君って、確か昨日の・・・・」

「あ、はいっ。昨日はその・・・ありがとうございます・・・」

そう言って彼女は俺に持っていた紙バッグを渡す。
中には綺麗にアイロン掛けされた俺の学ランが丁寧に折畳まれて入っていた。

「あ・・・いやいや・・・・別にわざわざ返しに来なくても良かったのに・・・・」

「と、とんでもないです・・・貸して頂いた物はちゃんと返さなきゃ・・・」

・・・・うん、ごもっともです。。。
律儀だな、この娘・・・・ちょっと泣けてきたわ・・・。

「じゃあ、私はここで・・・」

彼女は足早に去ろうとする。

「あっ、ちょっと待って・・・」

俺は彼女を呼び止めた。
何故か、無意識の内に呼び止めていた。

「ハイ?」

彼女は立ち止まってこちらを振り向く。
それに合わせて巻髪のツインテールがぽわん、と揺れる。

「君、何で俺の名前知ってんの?」

そう、彼女は先ほど俺の事を工藤さん、と呼んだ。
俺は彼女の名字さえ知らないのに、何故彼女は俺の名を知っているのか気になったのだ。

「えっ?・・・それは・・・」

彼女はここで何故か言い澱む。

「・・・・・・//////」

そのまま彼女は顔を真っ赤にしてむっつりと黙り込んでしまった。
何だろう、何かあるんだろうか?


まさか、俺、今変な事聞いたか?


「・・・・まあ、その、何だ・・・・」

俺も何とかフォローを入れようとするが、適切な言葉が浮かばない。

「・・・・上がってくか?」

俺はこう提案した。
このままでは互いに黙りこくっている事しか出来ないだろうし、仮に話が進んだとしても外での立ち話も何だろう。
それに、学ランをわざわざ持ってきてくれた事への礼もしたい。

「えっ・・・でも・・・邪魔になりませんか・・・?」

彼女はここで顔を上げる。
顔がまだ少し赤い。

「良いよ、どうせ今日やる事も特にないし・・・」

この俺の提案に彼女は少し考えていたようだが・・・

「じゃあ、少しだけ・・・」