GANTZ Paradise Lost 田中星人篇
『44:48:03』
地下駐車場・B1フロア・・・
地下へ降りるとそこでは秀吉が先ほどと同じ場所に呆然と座り込んでいた。
その傍らには田中星人が転がっている。
「秀吉ッ!?」
「ナオ・・・無事だったんじゃな・・・」
秀吉はまだ混乱状態のようだ。
「中坊はっ!?中坊はどうした!?」
俺が秀吉に聞くと・・・
「・・・がぶっ」
背後で何かを吐き出すような音が聞こえた。
振り向くとそこには・・・
「中・・・・坊・・・・?」
中坊が血まみれで駐車している車の上に横たわっていた。
「おいっ!?中坊ッ!?」
俺は西丈一郎の横に駆けつける。
「おいッ!聞こえるか!?」
俺の言葉に反応して西丈一郎がこちらへ顔を向ける。
その顔はひどいもので、田中星人に殴打されまくっていたせいか、パンパンに腫れあがり、まるでおたふくの面のようになっていた。
顔中の穴と言う穴からは出血し、歯は折れ、顔が真っ赤に染め上げられている。
「ッハァッ・・・・ッハァッ・・・・ッハァッ・・・・」
「大丈夫か!?しっかりしろっ!」
「・・・・ひゃ・・・・ひゃひゅ・・・・・ひゃひゅひぇんを・・・・・」
口の中を腫らしたのか、ろれつの回らない喋り方になっている。
「はぁ?・・・ひゃくてん?ひゃくてんって言いたいのか?」
「・・・ひゃひゅひぇんを・・・・ひょれ・・・・・」
「百点を取れって・・・・百点取ったら、どうなるんだ!?」
「・・・・ひゃひゅひぇんを・・・・ひょって・・・・・お・・・俺を・・・・生き返らひぇろ・・・・・!」
「生き返らせる・・・?どう言う事だ?」
しかし、その答えが帰ってくることは無かった。
西丈一郎は最後に血を吹き、そのままピクリとも動かなくなった。
「・・・ナオ・・・中坊は・・・?」
秀吉は俺に尋ねる。
「・・・・」
俺は首を横に振った。
「・・・そう・・・か・・・」
地下に静寂が流れる。
自動車の上にはかつては西丈一郎という人間だったはずの肉片。
地面に転がされた田中星人――――――――
・・・・・・・・ガシャンッ・・・・・・
「秀吉ッ!後ろッ!!!!」
刹那、田中星人が息を吹き返した。
「ッ!?」
先ほどの仕返しとばかりに秀吉を殴り飛ばす田中星人。
そのまま秀吉は1mほど吹き飛ばされ、近くに停めてあったワゴン車に激突した。
『ガァァァッッッ!!!』
田中星人は秀吉の激突したワゴン車に向かって口を開いた。
青白い光彩がほとばしる。
すると・・・
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッ」
ニット帽の青年が手近にあった鉄パイプで田中星人の顔面を横から殴った。
その瞬間、殴られた衝撃で田中星人の顔面だけが回転した。
・・・・チュドーン・・・
・・・・バチバチバチッ・・・
そのままエネルギー砲は発射されたが、秀吉には当たらず近くの配電盤に当たって火花を散らす。
作品名:GANTZ Paradise Lost 田中星人篇 作家名:プラスチッカー