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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第71話

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  第71話 「放課後強襲タイム!!前編」


  勇士朗達は、桜高に入校して以降、ちょくちょく顔を出すようになった。最もデストリアンの事件で生徒の避難誘導に貢献した顔が効いていると言う事もあって可能なことだった。

  勇士朗達は、歌詞を書くことに専念する。

  光 「難しい〜・・・。」

  蓮 「べへらぁ〜・・・。」

  俊 「むむむ・・・。」

  涼 「わかんなーい・・・。」

  眉間にしわを寄せて考え込む4人。無論、勇士朗も悩んでいた。隣から澪が顔を覗かせる。

  澪 「どんな感じ?」

  勇士朗 「うーん・・・・思ったより難しいよー。思いつこうにも思いつかない・・・。」

  澪 「そっか・・・じゃあ、チョット待ってて。」

  澪はカバンからフリーペーパーを取り出し、自分が書いた歌詞を勇士朗に手渡した。

  勇士朗 「え?もう歌詞できてるじゃん!」

  澪 「ああ、それはボツにされちゃったやつなんだけど、参考までにしてくれればいいかなって・・・・・。」

  勇士朗は歌詞に目を通してみる。そこにはとってもメルヘンなタイトルと歌詞が書かれていた。

  勇士朗 「ええと・・・ペンギンのダンスダンスダンス!クルクル周るペンギンのように愛らしい・・・・・。」

  読んでいるだけで歯が浮いてきそうな歌詞が連なる。いくら好きな彼女が作った歌詞とはいえ、勇士朗はムズかゆくなってきた。さらに他の歌詞を見てみる。

  勇士朗 「甘いにおいのする森で小鳥さんとおしゃべり・・・・ぐおっ。」

  澪 「・・・・勇士朗もやっぱりその歌詞ダメ・・・・か・・・。」

  勇士朗は心底のむずがゆさが口に出てしまった。しゅんとなってしまう澪。しまったと思った。

  勇士朗 「え?!あ、いや、その・・・・可愛い歌詞だと思うけど・・・。」

  テンパる勇士朗に律が横から助言する。

  律 「はっきり言ってやんなー、勇士朗!まぁ、澪がそういう動物シリーズの歌詞に走ったときは、大概スランプに陥っているときなんだ。」

  勇士朗 「スランプ・・・。」

  澪 「うぅ・・・そうなんだ・・・。」

  軽く涙を「るー」と流す澪。そんな表情の澪も可愛いと勇士朗は思った。

  勇士朗 「そっか・・・・でも、誰だってスランプするときはあるさ。俺だって、光達だって。それに今まで澪は数多くの歌詞を手がけてきたじゃん。すぐに抜け出せるさ。」

  澪 「ふぇ?!そ、そうかなぁ・・・へへへ、じゃあ、がんばっちゃお☆。」

  勇士朗が励ますと、いつになく照れながらポジティブシンキングで喜んだ。そんな澪に律はここぞとばかりにからかう。

  律 「おー、おー、喜んでる、喜んでる☆おあついったらぁ〜ありゃしないっ!」

  澪 「う、うるさいな!」

  そんなやり取りを見ながら光は唯のフリーペーパーを覗き込んだ。

  光 「さすが彼氏だなぁー・・・唯ちゃんは、どんな歌詞作った?」

  唯 「見てみる?ごはんはおかずって曲なんだけどー・・・。」

  光 「どれどれー・・・・おおおおう!!唯ちゃんらしくて独創的だぜ!!」

  唯 「いやあ〜それほどでも〜・・・・。」

  光 「ご褒美にみかんだ、みかん〜。」

  みかんを2個もって、唯のほっぺたに押し当てる光。みかんでぐりぐりする。

  唯 「ふももももも〜・・・。」

  このやり取りに俊と梓が突っ込みを入れる。

  俊 「ご褒美ってなんだよ?!てか、いちゃつく為に来てるんじゃねーだろ?歌詞書け、歌詞!!」

  梓 「そうですよ!二人とも!唯先輩、練習の続きしますよ!!」

  光&唯 「ふぁ〜い・・・・。」

  教室に鳴り響く「ぴゅあぴゅあはーと」。それを聞きながら勇士朗達は歌詞作りにはげむ。

  勇士朗はシャーペンを置いて歌う澪に振り返る。そしてそのまま見惚れてしまった。蓮が歌詞を書きながら呟く。

  蓮 「放課後ティータイムってさ・・・こうやって改めて聞くとスゲーって思うな。」

  俊 「ああ、個性豊かな彼女達が一度音楽を奏でれば一つにまとまる・・・彼女達同士だからこそ可能なことなんだと俺は思うぜ。」

  涼 「そーっすよねー・・・それにみんな可愛いし。」  

  蓮 「そこはカンケー無いだろうがっ!!」

  涼 「ひゃい!!でも・・・・そんな彼女達をもっと見習わないといけないっすね・・・。」

  光 「ああ、なんたって俺達も4人で一つのダグオンだからな!!」

  ダグオンチームは放課後ティータイムの姿勢に自分達と重ねる。その傍らでぽーっと歌う澪に見とれている勇士朗。いつ聴いても、見ても、歌う彼女の姿は非常に魅力的に映るのだ。

  勇士朗 (澪・・・・。)

  俊 「おーい・・・・勇士朗、いつまでも彼女に見惚れてるなよな・・・。」

  勇士朗 「え?!あ、ああ、悪い!」




  警戒状況が続く東京湾。バスターボンバーとフレアダイバーは千葉県エリアで待機し、ジェイデッカー・バーニアンや轟龍が東京湾の海上の上空を旋回している。

  要はレイバーズ達が待機する新木場エリアで、この間に起こった事件についての情報の把握をJバギー内で行っていた。

  要 「こうして俺たちが警戒している間に、異星人や超越生命体による事件が巻き起こったのか・・・。」

  葉山 「まぁ、いずれの事件もファイバードの勇士朗クン達や他のロボットが叩いてくれたみたいっすよ。」

  データディスプレイ上に付近の警官が捉えたグレンラガンの映像が映し出されている。無論、面識が無い為に謎のロボットとして扱われていた。だが、冴島の意向で「正義あるもの」として見なされているために、あえて不問になっているのだ。

  要 「俺たちは、警戒体制の状況が解かれない限りこの場を離れることが出来ないからな。街で起こる事件に対しては勇士朗君達に一任しようと思う。彼らもブレイヴフォースなんだからな!」

  葉山 「そっすね!」

  吉崎 「それにしても、海上から生態兵器の攻撃が来るだなんて・・・諸外国のテロなんでしょうか?」    

  要 「現在その可能性も含めて調査中だ。今は、市民の安全の為に警戒に尽力するしかない。」

  Jバギーから外に出る要。海風にあたりながら、警戒にひしめく東京湾を睨んだ。

  要 (一体・・・この海の向こうに何が潜んでいるんだ・・・?!)




  別の日の学校帰り。勇士朗は澪の家に初めてお邪魔していた。澪はベースの絃の張替え作業をしていた。隣でまじまじと見る勇士朗。

  澪 「な、なんかそうまじまじ見られると、恥ずかしいよ・・・。」

  勇士朗 「え?!あ、ああ、ゴメン。こんな繊細なこと俺にはできないから、つい見入っちゃったよ。はははっ!」

  澪 「くすっ・・・・昨日学校で張り替えていこうかなって思っていたけど、つい忘れちゃってさ・・・・・。」

  澪は、繊細な手つきで作業していく。勇士朗にとってそんなそつが無い面も澪に惹かれる理由の一つだ。その時、澪は心境を語り始めた。