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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第73話

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  第73話 「次元を引き裂くモノ」


  歌詞作りを時間の合間に手伝う勇士朗達。今日は、軽音部の部室が、異星人の痕跡の現場検証の為に使えない状態になってしまっていた。

  スタジオ内に入った軽音部メンバーは、鏡を意識して髪を掻き分けたり身だしなみばかりに気を取られている。澪は、はっと思い出したようにつっこんだ。

  澪 「って、いつまで身だしなみ整えてるんだ?!練習するぞ!練習!!」

  唯 「いやぁ・・・鏡があったからつい・・・・えへぇっ・・・。」

  律 「女の子でしゅものねーっ☆」

  梓 「どうしても身だしなみ気にしちゃいますよね。でも、これで演奏中の自分達もチェックできますよ。」

  律がふと振り向くと片隅で紬が何かをしていた。

律 「ん?ムギはなにしてるんだ?」

  紬 「外の男の子達にお茶を淹れてあげようと思って〜。」

  律 「それでコンセントさがしていたのか!」

  スタジオの外で勇士朗達は歌詞作りに励む。光は相変わらず唯のことを歌詞にしていた。
  
  光 「難しいな〜・・・・唯一の存在・・・・君を想ってる・・・好きだ、唯ちゃん・・・。」

  俊 「だから、名前出すなっつーの!!しつこいと別れるハメになるぜ!!」

  光 「それだけは勘弁だ!!」

  俊 「じゃー、やんなよな・・・お・・・!」

  そこへ紬が先ほど淹れたお茶を持って勇士朗達のところへ来る。

  紬 「みんなありがと〜、はい!お茶どうぞ〜・・・。」

  光 「待ってましたぁ〜!!」  

  俊 「待ってましたって、ずうずうしいぞおい!!紬嬢、どうもすんません。」

  紬 「気にしないで〜。」

  それぞれにお茶を配っていく紬。勇士朗たちも早速ティータイムに入らせてもらう。

  蓮 「・・・くぅー!こりゃ、サプライズだ!!」

  涼 「まさか、スタジオで飲めるだなんて思っていませんでしたからね。」

  勇士朗 「サンキュッ、ムギちゃん!にしてもいざ書き始めるとホント難しいぜ〜。」

  途中から一向に歌詞作りが進まないでいた勇士朗。紬が顔を覗きこんで歌詞を見る。覗き込んだ紬の顔のアップにビックリしてしまう。

  勇士朗 「どわああ!?近ッ!!」

  紬 「あ、ごめんなさい!どんな歌詞か見てみたくて・・・ふん・・・・ふん、ふん・・・・。」

  まじまじと読み続ける紬。明るい笑顔で歌詞について好印象なコメントをした。それに対して勇士朗は恥ずかしそうに答える。

  紬 「わぁ・・・いい感じの歌詞っ!すごいすごい!」

  勇士朗 「俺としては・・・その、澪達の気持ちを想像して書いてみたんだ・・・・途中から歌詞が浮かばないケドね・・・・――――っ!!!」

  会話の途中で勇士朗は、例のマイナスエネルギーを察知した。

    ゴォドォドォドォオオオオオオン・・・・・ドォガゴオオオオオオン・・・・

  紬 「何の音?!!」

  勇士朗 「もしかして・・・・っ!!!」

  その時、スタジオの窓ガラスが揺れ、外から轟音が鳴り響いた。スタッフも慌てた表情になる。

  席を立った男子勢はスタジオを飛び出していく。そして、その視界に魔女と思わしき巨大な生命体が2体出現していた。

  勇士朗 「魔女かっっ!??まさか、自ら次元を破って出てきたのかっ?!!」

  光 「そんなことできるのか?!あいつら!!!」

  俊 「知るか!!さぁ、行こうぜっ!!!」


       ♪ BGM 「グランバード」


  現地点から南方に出現した2体の魔女が破壊活動を開始。勇士朗はファイアージェットを召喚し、光達はダグコマンダーを発動。ダグオンとなる。

  勇士朗 「ファイアァアアアアアア・ジェエエエエエット!!!」  

  4人 「トライ・ダグオンッ!!!」

  ファイアージェットが飛来。ファイバードに変形して道路に着地する。勇士朗は光の球体になってファイバードの胸部に飛び込み、そのままファイアー・シャトルを召喚する。

  ファイバード 『ファイアー・シャトオオオオルッッ!!!』  

  各部を変形させ、分離したファイアーシャトルのパーツ群がファイバードへと急速合体していく。胸にフェニックスのエンブレムを浮かび上がらせ、頭部が紅い光を放ってグレートファイバードのヘッドにチェンジした。

  グレートファイバード 『最強武装合体、グレートファイバードッ!!!!』

  ダグオンチームはシャイニングダグオンを召喚する。一斉に腕をかざす4人。

  ダグオンチーム 「トライシャイニングダグオン!!!」

  ダグテクターブレスレットから光りを一点に撃ち出し、シャイニングダグオンをそこから召喚。
  胸部ハッチが開いて、鮮やかな赤い光りが地上に撃ち出される。その中へダグオンチームが飛び込み、瞬間移動するように吸い込まれて融合。目が光り、シャイニングダグオンが起動した。

  シャイニングダグオン 『友情融合合体!!シャイニングダグオン!!!』

  2体の勇者はその場から飛び立ち、魔女の許へ一気に向かう。

  黒いコートを羽織った、西洋のレイスのような魔女が、二手に別れて破壊活動をする。それぞれが逃げ惑う人々に向かって、コートの中の両眼を光らせながら紅いレーザー光線を発射。周囲に爆発音が鳴り響いた。

    ヴィギュイイイイイイイイイン・・・・・ドォズヴァガゴオオオオオオオ!!!

  逃げながら足をくじいて1人の女子高生が転んでしまう。そこへ進撃する魔女の巨体。コートの隙間からぐわっと手が迫った。

  レイス魔女A 「ハァアアアアアァァァ・・・!!」

  女子高生 「ひぃっ・・・・・!!!」

  さやか 「はああああああああああ!!!」

    ドォザァガアアアアアアアアアンッッ!!!

  その時だった。上空へ舞い上がったさやかが、渾身の斬撃を繰り出し、彼女の窮地を救う。ダメージを与えた魔女を蹴って、彼女は魔女の正面に着地した。

  さやか 「早く逃げてっ!!!」

  さやかの叫び声にうなずきながら女子高生はその場から逃げる。再び魔女を見上げたさやかは今回の一件がいかに異常な事態であるかを思い知った。

  さやか 「魔女が自ら結界を引き裂いて出てくるだなんて・・・そんなのありえないっ!!!けどっっ―――!!!」

  それでもブレードを振りかぶり、さやかは瞬間移動的な加速力で魔女に斬りかかった。

    ギュズドォオオオオオオンッッ――――!!!

  さやか 「はぁあああああああ!!!」

    ザギャシャアアアアアアァアンッッ!!!

  さやかは再び重い一撃を魔女に叩き込んだ。

  レイス魔女A 「ァァアアアアアア・・・!!!」

  うめき声を上げた魔女は攻撃の反動で低空を後退する。さやかは再度攻撃を掛け、剣撃の乱舞を見舞う。しかし、苦し紛れに魔女は黒いカギツメ状の腕を伸ばし、さやかを吹っ飛ばした。

    ギュグアアアアアアアッッッ・・・・!!!

    ドォズギャガアアアアアアアアアッッッ!!!