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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第73話

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  二人を見送った直後、?KOTOBUKIのリムジンが路上に停車。車内から菫が出てきた。

  菫 「お嬢様、お迎えに上がりました!あ、みなさん初めまして!斉藤菫です。琴吹家でお手伝いさせていただいています。」

  菫は初対面の勇士朗達に若干深めの会釈をしながらあいさつをした。一行も「あ、どーも」という感じで会釈した。そして誰もがぱっと見で紬の妹かと思った。

  紬 「ありがとう、菫ちゃん!それじゃあ、また明日ね!それじゃいきましょ、菫ちゃん!」

  菫 「はい!お嬢様!それでは皆さん、失礼致します。」

  菫が再び会釈すると、紬は手を振りながらリムジンに乗り込み、続くように菫もリムジンに乗り込んだ。

  梓 「・・・・妹かと思いましたよ・・・。」

  俊 「ああ・・・ふつーに妹に見えたな。」

  律はリムジンのテールランプを見ながら皆にこれからの行動を問う。

  律 「あのコ、お手伝いさせてもらってるって言ってたけど、どうみても私らくらいだったよな??相変わらず謎の面が多いな琴吹家は・・・で、どうする?解散するか?どこかよっていくか?」

  澪 「それじゃあ、蓮君がバイトしてるコンビニにいかないか?」

  ちらっと律を見る澪。律も反応する。

  律 「なーに、こっち向いて言ってんだよ!!」

  澪 「別にー?行かないなら他の店でもいいんだぞ?」

  律 「い、いくよ!!コンビニィ!!」

  幼なじみ故、律の心理をつく澪。そのことは皆も知っておりくすくすと笑う。

  梓 「・・・・ぷっ!」

  律 「笑いたければ笑えばいいだろー!!」

  一向が、コンビニに向かい出すと梓は俊に律についてコソっと言ってみる。

  梓 「律先輩、蓮さんが好きなんですね・・・。」

  俊 「ま、おおよその察しはついてるけどな・・・。」

  梓 (俊さんは、私の事どう想ってるんだろ?)

  俊 (梓は俺のことどう想って・・・。)

  視線が重なる二人。はっとなり、顔を赤くする。

  勇士朗は先ほどの歌詞を澪に見せようとする。

  勇士朗 「さっき完成した歌詞だけど、ちょっと見て欲しいんだ。この前、ムギちゃんは結構良いって言ってくれてたけどさ・・・。」

  澪 「いいよ・・・どれどれ・・・・・・・・・わぁ、いい歌詞だ!勇士朗、結構センスいいかもなぁっ!」

  勇士朗 「なんか、照れるな・・・タイトルは・・・『Noサンキュー』。この状況下の、もしくはこれからの澪達の気持ちを想像して書いてみた歌詞なんだ。もし歌うなら俺的に澪に歌ってもらいたいんだ。なんかひいき染みて光と唯ちゃんには悪いんだけどさ・・・。」

  澪 「勇士朗・・・・じゃあ、私がこの歌を担当するよ。」

  勇士朗 「ホント?!」

  澪 「うん!ステージの上で頑張ってみる!ああ、そうだ!私もつい昨日まで歌詞浮かばないって悩んでいたけど、この前に浮かんだ歌詞があったの思い出したんだ。勇士朗とデート行った時に浮かんだ・・・蒼空のモノローグ!」

  勇士朗 「あの曲か!!いいんじゃないかな!!」

  そして一向は、蓮達がバイトしているローソンに行く。レジをしながら今日のことを会話する蓮。

  蓮 「・・・で、イイ歌詞はできたのか?」  

  勇士朗 「まだ途中だけどな。澪とムギちゃんに絶賛された。」

  蓮 「そっか・・・俺もやってみてもなかなか浮かばないしなー・・・あと、俺、もうじきバイト終わるから待っててくれねーか?」

  勇士朗 「ああ、いいぜ。」

  蓮がバイトを終え、メンバーは帰路を歩く。その中で律がなにやら考え事をしていた。涼も姫子とデートしながら帰った為にメンバーにはいなかった。

  梓 「あの二人もホント、仲イイですね・・・。」

  律 「そうだなー・・・うらやましーなもー!うーん・・・・それにしてもー、なんか忘れていたような・・・・ああああ!!そうだ!!家庭科の課題があったんだっけー!!どうしよう!!ミシン苦手なんダァアア!!!」

  歩きながらテンパりだす律。心なしかわざと言っているようにも思える。するとそれを聞いていた蓮が食いつく。

  蓮 「なんだ?律っちゃんてミシン苦手なのか?」

  律 「そうなんだよう・・・機械が苦手なんだ・・・ぐすん・・・。」

  蓮 「しょーがねー、手伝ってやるかぁ!!」

  律 「本当かぁ?!やったー!!」

  このやり取りを見ていた澪が律が確信犯だと悟る。

  澪 (あいつ・・・課題はともかく、あの流れはわざとだな??)



  ちょうどその時間帯、勇は和を迎えにいったついでに市内をドライブしていた。夕暮れの空の下で二人だけの時間が流れる。

  社会人である勇の時間間隔では、和といてあげれるのはあと少しの期間。勇は一時、一時をかみ締める。

  勇 (来年には和ちゃんもきっと県外に行っちまうんだよな。そうなると一緒にいられるのもあとわずかだ。社会人になると時間間隔がシビアんなってあっという間に時間が流れちまう。)

  すると和は、考え込んで眼光を鋭くしてしまっていた勇に問いかけた。

  和 「勇さん、どうしたの?恐い顔しちゃって?」

  勇 「え?!あ、いや別にっ・・・ちょっと考え込んでただけだぁ!ところで、唯も劇の練習してるんだよな?」

  和 「うん。相変わらずの集中力でずっと立ったまま木の練習してるよ。」

  勇 「そうか・・・・一つのことに集中すると、直ぐ周りが見えなくなっちまうからなー。お?ガスが少ないな・・・ちょっと給油してくぜ。」

  燃料のメーターがEの近くまで来ていたことに気づく勇。エクスカイザーが融合しているとはいえ、エネルギー不足の現在は通常の給油も必要なのだ。

  和 「え?エクスカイザーが融合しているんだからその必要はないんじゃないの?」

  エクスカイザー 『今はギガ・ヒーリング・フラッシュの代償で戦闘エネルギーの維持が必要な為、通常のエネルギーに頼る必要があるんだ。』

  和 「ふーん・・・私は全部エクスカイザーが走らせているかと思った!」

  エクスカイザー 『エネルギーに余裕があればそれは可能なんだけどね。』

  和 「そっか・・・でも、地球のクルマ全てにエクスカイザーみたいな存在が乗り移ってくれれば、スゴク環境に優しいコトになるわね!」

  勇 「グレートエコカーってか?そりゃ地球にとっていい案だ!」

  エクスカイザー 『はははは、さすがにそういう訳にはいかないけどね。』

  給油を終えて厚木市内を寄り道しながら走るエクスカイザー。空には綺麗な蒼とオレンジのグラデーションが広がっていた。

  和は空を見上げながらつぶやく。勇もその呟きに共感する。

  和 「空の色が綺麗・・・。」

  勇 「ああ。綺麗だな・・・あぁ?!!なんだありゃ?!!」

  和 「何?!どうしたの勇さん?!」

  だが、空の狭間で妙な空間の亀裂を勇が発見した。エクスカイザーもその亀裂から漏れるマイナスエネルギーを感知していた。