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Sweet Night

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「なっ!ち、違うよ。あの・・・あんまり感じすぎて・・・なんだか自分が自分じゃないみたいで。自分の体が自分のじゃないみたいで・・・。それくらい、感じた・・・」
「咲・・・」
滝沢は咲の裸身をぐいっと抱きしめた。
「よかった!咲が感じてくれて。俺ばっかり狂ってたらまずいからさー」
「狂う?」
「うん、もう、俺、頭がおかしくなるかと思ったよ、咲を抱きながら、あんまり嬉しくて」
「滝沢くん・・・」
「もう、あんまり気持ちよくてさー」
「なっ、なんてこというのよ!」
「だってさー、そりゃ俺だって二十歳過ぎた健全なオトコだし。病院のベッドにしばられて咲にキスしかできずにずっと耐えてたんだし。それに・・・」
「それに?」
「好きで好きでしょうがない女の子抱いているんだから!ずっと抱きたかった咲を抱いているんだから!そりゃ、たまんないよ」
「な・・・/////滝沢くんったら・・・」
「咲、俺の気持ち感じてくれた?わかってくれた?俺が咲にぞっこん惚れ込んでるって」
「ぞっこん?・・・ぞっこんかどうかは・・・そこまではわからなかったけど・・」
「えー、わからなかった?あんなに俺のジョニーが愛を語ってたのになあ」
「な、な、な・・・」
「わからなかったなら、もう一回。咲に俺の気持ち伝えるよ」
「え?」
滝沢は咲の上に覆いかぶさり、ちゅっと咲のキスをした。
「咲。今度は名前呼んで?」
「名前?」
「そう、あきら、って。俺の名前呼んで、俺に抱かれてるとき」
「滝沢くん・・・」
「だから、ちがう、名前」
「あ・・・あきら・・・」
「うん。咲、もっと呼んで」
そうささやいて、滝沢は咲の胸元に唇を寄せた。
「あきら・・あっ・・・」
「咲・・・」


さみしかった。本当は。
自信をなくしかけたこともあった。
俺だって100パーセント、確信があったわけじゃない。
すべてがうまくいくなんて能天気に思えたわけじゃない。
俺が何もかも世の中の不条理解決できるなんて思ってたわけじゃない。
でも。咲がいたから。
咲が信じてくれたから。
咲が俺を信じてくれてるって、そう思えたから。
短かったけど、咲と過ごした時間があったから。
だから、がんばれた。
だから、ここまでこれた。
だから、咲ともう一度会えた。
だから。もう。咲を抱かずにはいられないよ。
咲を思いっきり抱かずにはいられないよ。
俺の気持ちを、咲に体ごとぶつけずにはいられないよ。
誰かを愛するって、こういう気持ちになるんだね。
初めて知ったよ、咲。


先ほどの熱が再び体に戻ってくる。お互いの熱が伝わりあい、息があがってくる。二人だけが知る、二人の姿。お互いだけが知る甘い声。絡まる足。絡まる指。混じり合う汗。濡れる唇。離れていた時間をすべて埋めるように。耐えていたさみしさを洗い流すように。
再び波が押し寄せてきた時、二人はその手を重ね合わせて、互いの唇をむさぼり合いながら、互いの体をきつくきつく密着させていた。発散される熱を一グラムも逃さないように。溢れる気持ちを一ミリグラムもこぼさないように。

滝沢は二度目の抱擁の後、疲れきって寝入ってしまった咲をそっと腕に抱きながら、咲への溢れる思いを胸の内で味わっていた。やっと再会できた二人。やっと結ばれた二人。
(ホント、もう俺、咲なしじゃあやっていけないなあ)
苦笑しながら、滝沢はその目を閉じた。

咲。
俺、ずっと咲と一緒にいたい。一緒にいる。
目が覚めたら、君にそう伝えるよ。
もう離れないよって。
二人でがんがん進んでいこうぜって。
プロポーズ?
そんなもんよりもっと切実さ。
咲がいなきゃ俺、どうにもならないからさ。

滝沢はいつのまにか心地よい疲れの中、眠りに落ちていった。

作品名:Sweet Night 作家名:なつの