貴音「あなた様は命よりも仕事のほうがだいじなのですか?」
貴音「病気であるにもかかわらず、仕事のことしか頭にないあなた様は…異常です」
P「………お前に何が分かる」
貴音「っ…!」
P「くだんねえこといってないで戻るぞ、ここにいると風邪ひいちまうぞ」スタスタ
貴音「あなた様は…いえ、あなたは誰なのですかっ!!」
P「………」ピタッ
P「…は?」
貴音「あなたはいつものぷろでゅうさあではありません!あの方を返してください!」グスッ
P「お前、何言ってるんだ?俺は俺だ。ばかばかしい」
貴音「いつものあの方ならば、もっと優しくて…こんな…こんなにも冷たい言葉を仰ったりしません!」
貴音「返してください!あの方を…あなたさまあ……」
P「…………これが、本来の俺の姿だ。今までの俺は…上っ面で優しくしていただけだ」
貴音「嘘です」
P「っ!?」
貴音「本当にあなたが非道な方ならば、私のことなどほうって去ってしまうはずです」
P「それはお前の一方的な思い込みだろ。あくまで自分のアイドルを無視するほど無粋じゃない」
P「…昔の俺なら、無視して降りていったかもしれんがな…」
貴音「!」
P(…今、何を言ったんだ?俺は…)
P「ここに来る前は…仕事のことしか頭にないクズプロデューサーだった」
P(こんなことを話して何になる…やめろ、よせ…)
P「アイドルは自分の道具でしかない、売れるためならなんでもやる。そんなクズだ」
貴音「あなた…様…」
P「アイドルはトップアイドルにこそなれたものの、TVの前でしか笑えない人間になった」
P「結果アイドルの心は壊れ…仕事と割り切ってカメラがなくなると、とたんに無表情になる人間になってしまった」
P「しまいには事務所からクビにされる始末だ。ははっ、笑えるだろ?」
貴音「いいのです…もう…」
P「それからもいろいろと事務所を転々としたが、今までのやり方じゃ同じことの繰り返しだった」
P「最後にはトップアイドルに育てたアイドルからも’お前はもう用済みだ’って言われたよ」
貴音「もうよいのです!!あなた様!!」ダキッ
P「……ぅ……貴、音……?」
貴音「あなた様は、疲れているのです…だからもう、無理をしなくても良いのです!」
P「…ばか、いえ…俺はつかれてなんか…」
貴音「その証拠に、今も涙を流しているではありませんか!」
P「!?」
P「………俺が、なみだを…?」ゴシゴシ
貴音「もう、無理をする必要はどこにもありません……」
貴音「あなた様は…泣いていい…今、泣いていいのです…」グスッ
P「お前だって、泣いてる…じゃねえか…」
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P「……もう抱きつかなくてもいいぞ。貴音」
貴音「いいえ。今離れると私は風邪を引いてしまいます…」
P「…そうか…そう、だな…」
貴音「ふふっ…やっといつものあなた様が帰って来ました…」
P「なんだそりゃ。俺は俺だろ」
貴音「ふふっ…」
P「俺…死ぬのかな?」
貴音「……あなた様?」
P「いままで、ずっと…怖かった。怖くないって思ってても、やっぱり…」
P[心の奥底では、恐怖心がずっと渦巻いてたんだと思う」
P「死にたくない…まだ、ここで…765プロで皆ともっと過ごしていたい」
貴音「では…」
バァン!!
美希「ハニイイイーーーーーーッ!!」
P「うおっ…美希!?…お、おはよう」
美希「ぐすっ…ハニー死なないで…」
P「ああ…決めたよ…手術して治してみせる…」
貴音「!!」
春香「ほんとですか!プロデューサーさん!」
P「うおっ、春香…に、みんな…」
亜美真美「にいちゃあああああんっ!!」
やよい「ぷろでゅうさああーー!」
P「みんな…泣くなよ…大丈夫、心配するな…」
小鳥「プロデューサーさん…」
P「音無さん…」
小鳥「あんまり帰ってくるのが遅いんで探しちゃいましたよ…もう」
P「はは、すいません…つい感傷的になっちゃって」
律子「プロデューサー、ここにいてもアレですし、戻りましょう」
P「っと…そうだな、ほれお前ら、そろそろ離せ。これじゃ歩けん」
美希「ヤなの!今まで心配させた分つぐなってもらうの!」
亜美「そうだYO兄ちゃん!すっごい心配してたんだから!」
真美「治ったら100倍にして返してもらうんだかんね!」
P「もちろんだよ。だから今は離せ。な?」
美希「ぶー」
P「やれやれ…しょうがないやつだ」
春香(いいなあ…私もだきつきたい…)
千早「春香、行ってきたら?」
春香「あ、あれ?千早ちゃん、私なにかいってた?」
千早「いえ、ただ抱きつきたそうな顔してたから」
春香「ばれちゃってた…すごいね、千早ちゃん」
千早「そんなことないわ。ただ春香のことならなんでもわかるだけよ」
真「それでもすごいことだけどね」
響「あ、自分も貴音のことならだいたいわかるぞ!」
伊織「じゃあいま貴音は何考えてるか教えてちょうだい」
響「え?…えーっと…」
あずさ「あらあら〜」
雪歩「わ、わたしも真ちゃんのことならだいたいわかるよ」
真「ええっ!?それってボクが単純ってこと?」
雪歩「そそ、そんなこと言ってないよぅ!」
伊織「真はすぐ顔にでるからすぐわかるわよ」
真「なな、なんだって!」
あずさ「ケンカはだめよ〜二人とも〜」
P「あ、そうだ春香!」
春香「はひっ?な、なんですかぷろりゅーさーさん?
P「お前、電車大丈夫か?終電ないんじゃないか?」
春香「ああっ!忘れてました!どどどうしよう!」
P「しかたない…ゴホッ…ちはやのいえにでも…ゲフッゲフッ!!!!」
貴音「あなた様っ!!」
美希「ハニーっ!??」
P「ごほっ!…」ボタボタ
P「あれ…まえが・・・みえねぇ…」
春小あ「プロデューサーさんっ!」
真雪や律響伊「プロデューサー!」
亜真美「にいちゃんっ!」