灰色
いつでも消える事のない
ぎゅう、と強く抱きしめるとより一層愛しくなった。
夏生の肩口に顔を埋めて髪を梳く
サラサラしてて、すげー綺麗な髪。
失いたくないと思うし、失おうなんて思わない。
やっと手に入れた幸せを手放すなんて嫌だ。
ただどうしようもなく、夏生がすきで
すきですきで、おかしくなってしまいそうな位なのに
いつでも消えないのは、真ちゃんの姿だった。
この綺麗な髪も、華奢な体も、一度は緑間に触れられている
相棒だけど、チームメイトだけど、同級生だけど、痛感する痛みはそこにあった。
いつもあいつは俺にないものを持っていて
俺には手も届かないようなものまで身につけていたそれを
横取りした俺が優越感に浸れないでいる。
罪悪感、罪悪感。
何で勝てないんだろう
何が違うんだ
人を好きになるって、こんなにも悩ましいものなのか?
わかんねーよ、ちくしょう。