灰色
午後16時35分
退屈にも程があるのだと、俺は思う。
いつもならばバスケ部と、緑間慎太郎と言う、とんでもない化物相手に忙しいのだが、
今日に限っては事情が違う。
バスケ部については1ヶ月ぶり位の勢いで休み。
真ちゃんに関しては「高尾の相手などしていられないのだよ」と吐き捨てられ放置だ。
まあ、暇なら暇で体育館で自主練でもすればいいだけの話
なのだが。
問題はここにあった。
ほかの部活が独占状態で体育館を使っていると言う事だ。
普段はバスケ部専用の体育館をバスケ部が独占しているのだが、
バスケ部が休みになると卓球部やらバレー部やらの部活が独占してバスケをできるスペースなど何処にもない。
俺はそれを思いだし、溜息を吐くと駐輪場へと足を運んだ。
まあ、どーせ明日からまた部活ある訳だし
ただの暇潰しってだけだから別にいいんだけどな。
つーかバスケ部って結構恵まれてんじゃね?
バスケ部専用の体育館あるとかそれこそ珍しいっつーか、さすが私立だわ。
「あ、月バス買わねーと」
俺はそう呟いて、自転車をこぐ早さを早めた。