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【銀魂】短文まとめ【沖神】

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【ダブルデートに行きましょう】2009.01.10

「相談?何アルか?」

神楽の一個年下の友人、また子が、“3Zナンバーワンの不良”と言われる高杉と付き合いだしたのは一ヶ月前らしい。
「ダブルデートしてほしいんス。」
「ダブルデート?」
聞けば、付き合いだしたはいいが、その後の進展はほぼなく、向こうからデートに誘う様子も見られないので、自分から誘おうと思ったが、一人ではとても出来そうにない。
だから、ダブルデートと称して、自然にデートができるように仕向けてほしい、ということだった。
「面倒かけて申し訳ないッス…。」
「いやいや、この神楽様に任せるアル!」
そう言って彼氏の沖田の方を見ると、彼はちょうど高杉と話しているところだった。
そこに入っていって、神楽はうまく約束を取り付ける。
「今週の日曜日に、新しく出来た遊園地に決定ネ。」
何だかんだお互いに忙しくて、なかなか沖田との時間の取れなかった神楽も、初デートが決定したまた子と同じように、週末が早く来ないか、そればかり考えるようになった。

――――――――

「上手くいったみたいでよかったアル。」
丸一日遊んで、閉園時間ギリギリになってから遊園地を出た。
神楽とまた子は帰り道がちょうど反対方向なので、先程、神楽は沖田と、また子は高杉と、というように分かれた。
「楽しかったネ。」
「そうだねィ。」
たまに通る、家族連れと思われる車以外には二人しかその道を使用している者はない。
「すっかり遅くなっちまったねィ。」
「大丈夫アル。沖田が私の家の前まで送ってくれるから問題無しネ。」
「そのまま家ん中入れてくれたら俺的には万々歳なんだけどなァ…」
「嫌ヨ。」
電柱の明かりだけの暗い夜道を、二人だけがゆっくりゆっくりと歩いていく。
「なァ。」
「ん?」
沖田の左手は、神楽の右手付近を行ったり来たりしていた。
「今度は、二人で行かねーかィ?」
ようやく沖田の左手は神楽の右手を捉え、薄明かりの中で、沖田はうっすらと微笑んだ。
「そうネ。ダブルデートもいいけど、やっぱ二人っきりの方がいいアル。」
神楽は、握られた左手に力を入れて握り返す。
「なんか今日はえらく可愛いこと言うじゃねーか。」
「私が可愛いのはいつもの事ネ。」
二人の話し声は消えることなく、ゆっくりゆっくりと静かな住宅街に消えていった。