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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第75話

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  第75話 「敷かれた警戒態勢の中で」
  

  生体兵器事件が発生して一週間以上が経過していた。関東地域全域の沿岸域で警察と海上保安庁、海上自衛隊で警戒に当たる。

  魚群探査機を用いた海上からの警戒をはじめ、ヘリでの空中からの警戒、陸上からの監視警戒態勢が連日取られていた。このため、沿岸部の地域一帯の道路も同時に封鎖されていた。

  要達もうみほたるでの現場検証にあたりつつ警戒する。ジェイデッカー・バーニアン達も常に武装したまま警戒行動していた。

  要 「ジェイデッカー、海上に何も異常はないか?」

  東京湾上空を旋回するジェイデッカー・バーニアンに通信をとる要。カスタム化しても戦闘時以外要達はジェイデッカーと呼称することにしていた。

  有事に備え、着陸したJトランスポーターの近くに常にいることを意識していた。Jトランスポーターにはジェイデッカー・バーニアンのコントロールシステムが搭載されているからだ。

  当初、Jローダーにも搭載する予定だったが、振動等を懸念し、集中力を重視し、Jトランスポーターに固定されたのだ。

  ジェイデッカー・バーニアン 『はい、今のところ異常はありません!』

  要 「そうか・・・海上からの出現という事実があったということは、少なくとも太平洋側からやってきたものだろう・・・引き続き警戒を頼むぞ。」

  ジェイデッカー・バーニアン 『了解!しかし・・・この期に及んで生体兵器とは・・・どこかでBLWもどきの研究をするやつらがいるんでしょうか?』

  要 「BLWとは全く異なる。被害の規模こそ今回は少ないものだったが、新たな脅威と言う事は変わりはない。今日で警戒態勢が布かれて一週間・・・未だに手がかり無しか・・・。」

  ジェイデッカー・バーニアン 『・・・・自分に考えがあります!!このまま太平洋上の八丈島方面に警戒を広げます!!』

  要 「八丈島方面?!」

  ジェイデッカー・バーニアン 『はい!アレだけの規模の生物を運搬するにはそれ相応の輸送手段がいるはずです!!それが容易に出来るのは目撃されることのない状況下の中、海に放つのが最もでしょう!!ならば島か海上からの投棄のどちらかになるはず・・・!!』

  要 「勿論その可能性もある事は緊急ミーティングでも出た。現時点ではなんともいえない為に関東地域の沿岸部の警戒態勢を布くに止まった・・・だが事の元凶の可能性がジェイデッカーの言うソレだという可能性には俺も同意見だ。よし!!いいだろう、許可する!!」

  ジェイデッカー・バーニアン 『ありがとうございます!!では、警戒及び調査に当たります!!』

  要 「ああ!!頼む!!」

  ジェイデッカー・バーニアンとの通信を終えると、要は待機中のレイバーズにも状況を窺う。ジェイデッカー・バーニアン同様、武器所持体勢にある。

  要 『レイバーズの方はどうだ?』

  ガンレイバー 『何も異常なし!平和な海上だぁ!!』

  ショットレイバー 『同じく!!異常なし!!』

  レイバーズが立つ面前の東京湾の海域は太陽の光に照らされて波が小刻みに動く。上空に海鳥が飛び、実に平和な状況下だ。

  続けて、湾岸エリアで待機中のバスターボンバーとフレアダイバーにも通信を取った。

  バスターボンバー 『こっちも異常はないぜっ!!』

  フレアダイバー 『何か異常があれば、こちらから連絡します!』

  要 「了解。引き続き待機警戒を頼む!!」

  千葉の工業地帯の沿岸では轟龍が飛行していた。モニターに表示される情報を見る丈。

  丈 「・・・・・。」

  轟龍 『ジェイデッカーが太平洋に向かっていった・・・・俺達も監視範囲を広げるか?』

  丈 「いや、いい。俺達は俺達で警戒に当たるぞ。」

  轟龍 『・・・了解した。』

  丈はレバーを押し込み、轟龍を加速させる。丈の姿勢は従来の戦闘の感性を持ちつつ、他が為に力をぶつける姿勢になっていた。丈の脳裏にうみほたるでの菫の姿が過ぎる。

  丈 「・・・何かがいれば、発見次第駆逐する!!」




  相模原市・桜ヶ丘。いつもどおりの朝の街並みが広がる。通勤、通学の人々が道を行き交う。

  その中に、登校する澪の姿があった。もみ上げを下ろしたポニーテールにイメチェンをしている。

  今までの容姿とは一新しているにもかかわらず後ろから律がどんと背中を叩いた。長年の付き合いゆえにすぐに澪だとわかったのだ。

  律 「おっはよう!澪っ!!」

  澪 「いたいな!おはよう・・・・ところで、律。あれからさやかちゃんの様子はどうなんだ?」

  あの日以降、さやかのことが気がかりになっていた澪。しばらく会っていない為、澪は彼女の事について律に切り出した。

  律 「え?さやかか?うん・・・まぁ、初めのときのネガティブオーラは大分解消されてきたかな・・・明るくなってきたよ。なんか、やっぱ愛情不足だったっつーか、なんつーかね・・・。」

  澪 「愛情不足??」

  律 「ほら、あのコ、私達にだって想像できない程のつらい日々を強いられてきたわけだろ?それだったら、私があのコに愛情注いでやらなきゃなって思ってさ!この前ハンバーグ差し入れてやったんだ。」

  澪 「へぇ〜・・・それが明るくなったきっかけなのか?」

  律は、そのときのことを思い出し、ほうっとなる。すると、鼻の頭をかきながらそれ以外の要素があることも語りはじめる。

  律 「ああ・・・泣きながら食べてくれたっけ・・・・ああ、でも、どーもそれだけじゃないみたいでさ〜。」

  澪 「まだあるのか・・・?あ!!わかった!!聡の友達だろ〜?」

  律 「あったりー!そのコがさやかの魔女退治に付き添ってくれてるみたいでさ!なんかこー・・・・恋心ってやつが芽生えてきてる感じだなー・・・って思っちゃう今日、このごろだよん!」

  そういいながら、律はイメチェンした澪のポニーテールの髪をぎゅっと握った。

  律 「それにしてもイメチェンかぁ〜?うりうり!」

  澪 「な?!やめろ、律!!」

  ポニーテールをにぎってぶんぶん振る律。澪の脳天パンチが炸裂。

    ごん!

  頭にタンコブを膨らませた律が澪と並んで歩く。

  澪 「この前のデートのときに思い切ってイメチェンのつもりでやってみたんだ。そしたら勇士朗が似合うって言ってくれて・・・。」


  チョット回想


  イメチェンした澪が勇士朗との待ち合わせ場所に向かって走る。澪が遅刻気味のようだった。

  澪 「ちょっと支度してたら遅れちゃったよ!勇士朗、待たせちゃってるかな〜?!」

  走る澪のポニーテールの髪が揺れる。そして約束の相模大野駅前につくと、勇士郎が待っていた。

  澪 「ごめーん!またせちゃった?」

  勇士朗 「いや、俺も今来たトコ・・・澪、髪型変えたんだ!」

  澪 「え?!う、うん・・・どうかな?」

  少し自信なさ気に言う澪。だが、勇士朗は顔を赤くして素直な気持ちを言った。