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　　勇士朗　「結構似合ってる！合宿に行った時もふと思ったけど、ポニーテールの澪も・・・いいと思う。可愛いよ！」

　　澪　「そ、そうか？！よかったぁ！じゃぁ、これからポニーテールにしよっかな！」


　　・・・・


　　澪　「・・・・ってわけ！」

　　律　「いーな、いーなぁ！！澪と唯は！！のろけれる相手がいてー！！あ、あとムギと姫子もか！！」

　　ぶーぶーと可愛げに愚痴る律。

　　澪　「別にのろけてるわけじゃないぞ？律もそろそろ、素直な気持ちを蓮君に伝えたほうがいいんじゃないのかぁ？」

　　律　「うぅっ・・・・わかってらい！でも、友達としているべきなのかどうか時々わからなくなる・・・でも好きなんだよなぁ・・・・。」

　　人差し指同士をコチョコチョしながら照れくさそうに言う律。

　　澪　「やれやれ・・・もうちょっと時間かかるかもな！でも私達、大学受験もあるからな。」

　　律　「うう・・・受験かぁ〜・・・まだ進路決まってないや・・・。」

　　澪　「な？！まだ進路決まってなかったのか？？！」

　　律　「話は変わるけどさ・・・・。」

　　澪　「変えるなよ！！」

　　律　「また今度にしようーぜー！そんでぇ、東京に出た怪物の手がかり、まだ見つからないんだってな！！澪はなんだと思う？怪物の正体！」

　　澪　「う、うん・・・勇士朗は何も感じなかったみたいだから・・・少なくとも魔女やデストリアンじゃないと思うな。」

　　律　「っていうことは・・・またあのＢＬＷとかいうやつなのかぁ？」

　　澪　「・・・・本当に平和って言える日はいつくるんだろうな・・・勇士朗達がいくら頑張っても生物災害が起こる度に犠牲者が増えていく・・・。」

　　一時的にシリアス感な空気が流れてしまうが、律がこれを押しのけてみせる。

　　律　「ま、私らがここでとやかく言ってても何も始まらないって！今は軽音部に集中しようぜ！」

　　澪　「・・・・そうだな！今は私達がやるべきことに集中しよう！じゃあ、律はまず進路を考えるんだな！」

　　律　「うううううぅ〜。」



　　その日の夕方。さやかの魔女退治に、琢磨が付き添う。その手には近所の整備工場からもらった大ハンマーが握られていた。

　　琢磨　「こいつには・・・さやかちゃんの魔力が篭められている・・・！！やってやるぜ！！！」

　　木の人形のような使い魔が琢磨に向かってくる。さやかは、木の魔女相手に奮戦していた。

　　さやか　「はぁああああああ！！！」

　　　　ザザザギャアアアアンッッ！！！　ズシュバアアアアアン！！！

　　伸びる木の枝の攻撃を剣撃が捌く。その間にも木の人形のような使い魔が琢磨を囲む。琢磨は渾身の力で振りかぶる。

　　この月より放映が開始された勇者ロボットをモチーフとした冴島監修のアニメ、「勇者王ガオガイガー」の必殺武器に見立てて、琢磨はハンマーで攻撃を掛けた。

　　琢磨　「おおおおおお・・・・木製・・・粉砕っっ・・・ゴルディオン・ハンマアアアアアアアアアアアアアア！！！」

　　　　バギャガゴオオオオオオオオオオオオ！！！　ズバダギャアアアアアン！！！

　　琢磨　「おおおおおおおっっ・・・・！！！」

　　　　バギャガアアアアアアアンッッ、ギャゴオオオオンッ、バズガアアアアアンッッ！！！

　　放った言葉通りに、使い魔を粉砕。そのまま振り回し、使い魔を撃砕していく。戦いながらさやかはこの光景をチラッと見てみた。

　　さやか　(さすが・・・男の子は違うな！闘志が全開だ・・・！！！)

　　その時、魔女が再び伸ばした木の枝がさやかに襲い掛かる。

　　　　ドォドォドォドォドォドォガアアアア！！！

　　さやか　「あうっっ・・・・！！！」

　　吹っ飛ばされたさやかは、受身を取って空中へ舞い上がり、自分の周囲に７本のブレードを召喚・展開させる。そして空中よりブレードが、魔女に向かって一気に突き進む。あたかもガンダム００の遠隔兵器「ファング」のようだ。

　　さやか　「いっけぇぇっっ・・・・！！！」

　　　　ヒュギュギュギュギュギュギュンッッ・・・ズギャガガガガガガドォオオオオオオオオ！！！

　　木の魔女　「キキキヒイイイイイイ？？！」

　　さやか　「はぁぁぁ・・・・・！！！」

　　　　キュイイイイイイイイイイッッッ・・・！！！　ドォオオオオオオオオン！！！

　　止めにさやかはブレードをチャージアップ。空中から加速したさやかが、一気に魔女に突っ込み、ブレードの強烈な突きが魔女に襲い掛かる。

　　さやか　「うらあああああああああっっっ！！！」

　　　　ギャガズドォオオオオオオオオオンッッ――――！！！

　　木の魔女　「フオアアアアアアアアアアア・・・・？！！！」

　　　　バギャガズドォオオオオオオオオオオッッッ！！！

　　爆発する魔女。同時に結界が晴れ、夕刻の空が再び現れた。姿を元に戻したさやかは、グリーフシードを拾い、ソウルジェムの汚れを浄化させる。そして、二人は見つめあいながらサムスアップを交し合った。

　　その日の帰り。琢磨はハンマーを担ぎながらさやかを褒めて歩く。だが、さやかは勝利したというのに若干うつむいていた。

　　琢磨　「やっぱすげーや！！！さやかちゃんはつえー、つえー！！！かっこいいよ！！！」

　　さやか　「そっかな？？あたしはいつもやられないように全力で戦っているだけだよ。それに、一線を越えた強力な魔女には、あたしじゃ太刀打ちできないって解っちゃったんだ。」

　　琢磨　「え？」

　　さやか　「結局、あのロボットのお兄さん達がいたからなんとかなった。けど、そうなった以上あたし自身はそれよりも格下の魔女じゃなきゃ退治ができないってことじゃん？」

　　さっきとは裏腹にネガティブモードの雰囲気が流れてしまう。彼女はパワーアップした魔女に対処できない自分に劣等感を感じつつあった。まずいと思い始める琢磨。

　　さやか　「こうして付き添ってくれていることはスゴクあたし自身も嬉しいし、安心するんだ。けど、もしあの手の魔女と結界の中で遭遇したらと思うと・・・琢磨君を守りきれるのか不安になってくるんだっ！！」

　　しばらく無言で歩き続ける二人。その間に琢磨はどう言ってあげるべきか必死で考えていた。そして言い放つ。

　　琢磨　「さやかちゃん・・・・その時は、一緒に全力で逃げよう！！逃げる事だって大事なときがきっとある！！！無理強いして闘う事も無いんじゃないか？」

　　さやか　「逃げる？魔法少女が魔女から逃げろって言うの？？！」

　　琢磨　「ああ！それで、その強力な奴らは聡やスーパーロボットの兄ちゃん達に任せればいい。さやかちゃんは本来の魔女と戦えばいいんだ。俺が思うに、そいつらは魔女であって魔女じゃないやつなんじゃないかな？？」

　　さやか　「魔女じゃない魔女って・・・どんなのよ？？」

　　琢磨　「そーだなー・・・・魔女が突然変異した異次元怪獣？？とか！」

　　さやか　「はぁ・・・・やっぱ発想が男の子だよね・・・。」

　　琢磨　「え？？」