新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第76話
勇が憂に代わって家事をする中、唯はエクスカイザーの車内に居た。運転席でギー太を抱えながらハンドルをいじってエクスカイザーと会話している。
唯 「エクちゃん・・・憂いが風邪ひいちゃってね、今日楽しみにしていた憂のご飯が食べれなかったんだ・・・。」
エクスカイザー 『そんなに憂のご飯が食べたかったのかい?』
唯 「うん・・・憂の料理は憂じゃなきゃできないもん・・・それに凄くつらそうな憂をみてると私までつらくなって来ちゃう・・・。」
エクスカイザー 『唯は妹想いだね。』
唯 「えへへへ・・・ちっちゃい頃から仲イイモン!はぁ・・・でも、いつもあたりまえのようにあった環境がなくなると不安になるよ・・・・。」
唯とエクスカイザーが会話する中、憂はラブレターを手に取り読んでいた。相当にいい内容だったようで、口をおさえて喜んでいる。勇は、時折憂を気にしながら軽い夕飯を作っている。
エクスカイザー 『全ての物事が当たり前に存在しているわけじゃない。当たり前という環境におかれてしまっていると、そのことへのありがたみを見失ってしまう。いざこうなると本当のありがたみというものが見えてくるはずだ・・・。』
唯 「本当のありがたみかぁ・・・いつも、光君達やエクちゃんに危ない所を助けてもらっているけど、それもよく考えたら当たり前じゃないんだよね?」
エクスカイザー 『そうだね・・・私も極力駆けつけようとはするが、必ずしも間に合うとは限らないし、光達の手の届かない所で唯達が異星人や異星獣に襲われても不思議じゃない・・・。』
唯 「昨日、憂も同じような事言ってたなぁ・・・。」
唯はハンドルをいじっていた手を離してギー太を抱きしめる。そして今までの危機的状況を振り返った。
デストリアンが初めて桜高を襲撃した文化祭の夜、テスト期間に襲来したデストリアン、和とショッピングに出かけていた時の襲撃、修学旅行の時のロボット暴走事件、光が命をかけてかばってくれたBLW襲撃事件・・・それ以降から現在に至るまでの記憶を振り返った。
そして首を上げて唯は悟ったかのように言う。
唯 「・・・・みんな頑張って今まで守ってきてくれたんだね・・・エクちゃん・・・ありがとう・・・・本当のありがたみがわかった気がする!!」
エクスカイザー 『そうか!』
唯 「それに、今ならいい歌詞がかけそう!!よーし!!今日は徹夜で歌詞書くぞー!!それじゃ、私家にもどるね?お休み!エクちゃん!」
エクスカイザー 『ああ、お休み・・・。』
唯は、エクスカイザーから降りると、ギー太を抱えながら早速駆け足で家に入っていった。
エクスカイザー 『・・・いい歌詞が書けるといいな、唯!』
翌朝。唯は憂の部屋で完成した歌詞の上で寝ていた。意識がもうろうとしながらも起きた憂は、歌詞を手にとって見る。そこには、憂や勇、光達への感謝の気持ちを綴った歌詞が書かれていた。
憂 「U&I・・・・・・・・えへへへ・・・・ありがとう・・・お姉ちゃん・・・。」
そしてその日、軽音部では文化祭の新曲の歌詞が選考で決まった。
律 「というわけで・・・唯、澪、ムギ、そして勇士朗君が作った歌詞に決定!!」
梓 「一気に5曲も作れるんですか?!」
律 「それでだぁ、これから軽音部は最初だけ10分ティータイム!唯のエンジンがかからないからな!後はみっちり練習!!朝練と昼練も実行!!土曜も朝から夕方までみっちりやることにしたぁっ!!うん、大丈夫!!勇気で補やいい!!」
澪 「律にしてはスゴイ意気込みだ・・・!!」
勇士朗 「これから文化祭に向けていよいよ本格的になってきたね!」
澪 「そうだなぁ・・・ホント、勇士朗にみんな、歌詞提供ありがとう!!」
澪が笑顔で勇士朗達に向かって言った。続けて軽音部の皆が口をそろえて礼を言う。
放課後ティータイム一同 「ありがとう!」
勇士朗 「・・・そう言ってくれるとなんか照れくさいな・・・。」
光 「そうだな・・・へへへ!」
俊 「じゃあ、役割は終わったことで、俺達はオイトマしようぜ・・・。」
蓮&涼 「ええええ?!!もっといてーし(いたいッス)!!お茶のみてーしっ(たいッス)!!」
梓 「そうですよ・・・俊さん。せっかくだからもっとゆくっりしていってください。」
梓がそういうと、俊は照れ隠ししながら席に就く。だが、俊のこの行動に光と蓮がニヤつく。
俊 「・・・・ま、まあ、そこまでいうならお言葉に甘えておこう・・・ってなにニヤニヤしてるっっそこぉーっっ!!」
光&蓮 「べつに〜。」
そんな中律がスティックを握ってパアっと叫んだ。
律 「んん〜・・・よっしゃああ!!放課後ティータイム、文化祭に向けて全開前進だああ!!!」
一同 「おおおおう!!!」
つづく
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第76話 作家名:Kブレイヴ