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魔法少女リリカルウィッチーズvol.4

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13th MISSION


突入班が脱出してきたため、セイバーズは一時体勢を立て直し、状況整理のための時間を設けることにした。幸い、ゆりかごネウロイは今のところゆっくりと浮上を続けている。これならば時間もそれなりに取れそうだ。そう判断して、はやてが全体に説明を始める。
「…状況を整理すると、やで。現在ゆりかごネウロイは衛星軌道上へ向けて浮上してる可能性が濃厚や」
衛星軌道、という言葉に元六課の面々はピンと来るようで、皆一様に反応する。
「八神二佐。先ほどから衛星軌道と言っていますが、一体何が起こるというんです?」
ミーナがウィッチーズを代表して質問する。
「これはまだ憶測の範囲を出ないんやけど…」
はやては一息置いて、
「最悪の場合、もしかすると事はもうこの世界のことだけや無くなるかもしれへん、ということや」
そう苦々しく言った。
「それは…つまり?」
「実は聖王のゆりかごはな、時空間を超えた攻撃が可能なんよ」
「時空間を超えた攻撃…」
はっとミーナが気付く。
「そういうことや。そして、それこそがネウロイの真の狙いやないかと思うねん」
「時空間攻撃で私達の世界を直接狙う、と…?」
「それだけやない。他の世界にまで攻撃する可能性もあるんや」
「もしそんな攻撃をされたら…どれほどの被害が出るか分からない」
「加えてゆりかごネウロイが衛星軌道上に到達してしまえば、私達にはもうお手上げ。だからJS事件の時もそこへ到達する前にゆりかごを止めたんだ」
なのはとフェイトが補足説明する。
「なるほど…ゆりかごネウロイについては大方把握しました」
ミーナが思考を巡らせている傍ら、
「何だろう、あれ…」
「芳佳ちゃん?」
芳佳が見る先で、巣の外周が霧散して中から人型をした大型ネウロイが姿を現した。
「すっげーデカイな…何だあのネウロイ!?」
シャーロットが思わず言葉を発する。一同がそちらを見る。
「サーニャ、あれ…!」
「うん、さっきのネウロイよ」
エイラが指差して言い、サーニャが答える。

「何て大きさなの…。ここからでもはっきり見えるわ」
地上から見上げたティアナが呟く。
「大きい…」
(ヴォルテールや白天王なら、あの大きさでも対抗できるかも知れない。けど、白天王は今戻したばかり…)
「キャロ、どうしたの?」
エリオが考え込んでいるキャロに訊く。
「エリオ君、白天王かヴォルテールなら対抗できるかも知れないの…」
「確かに、ヴォルテールのサイズなら…でも究極召喚しようにも、今のキャロは魔力リミッターがかかってるだろ?」
「うん。でも、八神隊長に話してみれば…」
「…許可は降りないんじゃないかな?」
「どうして?」
「ヴォルテールは確かに戦略兵器並の力を持ってる。けど、攻撃範囲も広いから援護する味方を巻き込んでしまう危険性もある。白天王は今回完全に単独でネウロイを倒してたから別だったけど…。それに、ヴォルテールでもあれを墜とすのは至難の業じゃないかな?」
だとすれば許可は…と続けるエリオ。
「そう、かもしれないね…。でも、念のため聞いてみるよ」
そう言うとキャロははやてへ通信をする。
「こちらライトニング4。八神隊長、聞こえますか?」
「ん、キャロ?どうしたんや?」
「私のリミッター解除をお願いしたいんですけど…」
「……ヴォルテールの召喚か?」
「はい」
「あかんよ。今はまだ、その時やない」
「まだ?」
「まだや」
「…了解です」
キャロは通信を切り、それからエリオを見る。
「ダメだったみたいだね」
「うん…。まだダメって」
「まだ…じゃあ…」
「後でってことだと思う」
でもどうして…?と首を傾げるキャロ。
(まだってことは…八神隊長には何か、キャロにしか任せられないことがあって、そのタイミングを狙って…?)
エリオも考えを巡らせ、それからキャロに言う。
「八神隊長のことだし、何か考えがあるんだと思うよ」
「そうだね」
「だから今は出来ることをしよう」
「うん!」

(流石に、もう限界か…)
心身ともに限界まで消耗した美緒は、一旦前線基地まで退いてきていた。
(しかし、あの情報だけは皆に伝えておかねば…)
美緒はミーナへ通信を入れる。
「ミーナ、聞こえるか。私だ」
「少佐!身体は大丈夫なの?」
「ああ、心配ない。それより…ゆりかごネウロイだが、退く前にコアの位置を確かめておいた。その結果わかったんだが…」
彼女は一拍置いて、
「どうやら、ゆりかごネウロイのコアは互いに連絡していて、同時に破壊しなければ復活してしまう仕組みになっている。突入する部隊は、その点に気を付けろと伝えておいてくれ」
「わかったわ」
「それから…」

「これから突入班を発表するで。まずは当初の予定通り、芳佳ちゃん達ウィッチ隊。それとゆりかごネウロイのコアが二つあるということでこちらからも数名、突入班を選出します。メンバーは、高町なのは一等空尉とヴィータ三等空尉や」
「了解」
「了解だ」
「人選についてやけど、今までネウロイと戦ってきたウィッチーズによれば、内部はそんなに敵もおらんみたいなんよ。よって戦力から見て申し分のない二人に任せるで」
そしてはやては全体を見て、
「残りの空戦メンバーは、あの巨大なネウロイの足止め、ひいては撃破が主任務や。ここが正念場、ネウロイを倒してミッドを取り戻すで!」
全員がおおーっ!と声を上げる。
「突入班の皆、聞いて。坂本少佐からの伝言よ。ゆりかごネウロイはコアを同時に破壊する必要があるわ」
ミーナが突入班に告げる。
「同時に?」
芳佳が聞き返す。
「ええ。どうやら内部でコア同士が連結しているみたいなの。だから通信でお互い連絡しあってちょうだい」
了解、返す突入班一同。
「宮藤さん」
そのあと、ミーナが芳佳に声をかける。
「何でしょうか?」
「これも坂本少佐からよ。烈風斬はなるべくなら使うな。使うにしても一度だけだ。念を押して言っていたわ」
「はい、わかってます」
「なら、いいのだけどね。サーニャさん、エイラさんも気を付けて」
「はい」
「サーニャは私と宮藤で守ってみせる」
程なく、声がかかる。
「まずは、あの巨大ネウロイを引き離し突入班突破の道を作る!各員、気を引き締めてかかれ!」
ミーナがウィッチーズに号令をかけ、
「あの巨大なネウロイを引き離して突入班のための道を作るで。皆、気ぃ引き締めてな!」
はやてが残りのメンバーに号令をかけて、最後の戦いが始まった。