指切り
「この子が末っ子の白龍。私の子供たちの中で、一番あなたと年が近い子よ。仲良くしてあげてくださいね」
王妃として既に煌帝国内へ入り込んでいた玉艶によって紹介された皇子は、先に紹介されていた皇子、皇女よりもひと際小さく、弱々しく見えた。
皇帝の他の子供たちは、三国統一を成し遂げた力強い皇帝の子にふさわしい、たくましさと風格を持っていたが、今目の前にいる皇子は、ジュダルが部屋に入ってきてからずっと母親である玉艶の服の裾をギュッと握りしめ、おどおどした表情でジュダルを見ている。
「さあ、白龍。神官殿に御挨拶なさい」
玉艶に促され、皇子ーー白龍は、おずおずとジュダルの前へ出た。
「は、はじめまして、神官殿。煌帝国第三皇子、練白龍と言います」
緊張した声音で挨拶をする様子は、ますます気弱な子供という印象を与える。
しかし、マギであるジュダルの目には、弱いながらも真っ直ぐなルフを纏っているのがはっきりとわかった。
(こんなにチビなのに……)
王を選定する役目を持つマギらしく、ジュダルにはその人物が持つ器を見抜く力がある。
力強い王の素質と、小さく弱い姿。その不釣り合いな様子がジュダルの好奇心をくすぐった。
「お前、面白そうだな」
「え? おもしろい?」
困惑する白龍と、強い器を見つけて心躍らせるジュダル。それが二人のはじめての出会いだった。
王妃として既に煌帝国内へ入り込んでいた玉艶によって紹介された皇子は、先に紹介されていた皇子、皇女よりもひと際小さく、弱々しく見えた。
皇帝の他の子供たちは、三国統一を成し遂げた力強い皇帝の子にふさわしい、たくましさと風格を持っていたが、今目の前にいる皇子は、ジュダルが部屋に入ってきてからずっと母親である玉艶の服の裾をギュッと握りしめ、おどおどした表情でジュダルを見ている。
「さあ、白龍。神官殿に御挨拶なさい」
玉艶に促され、皇子ーー白龍は、おずおずとジュダルの前へ出た。
「は、はじめまして、神官殿。煌帝国第三皇子、練白龍と言います」
緊張した声音で挨拶をする様子は、ますます気弱な子供という印象を与える。
しかし、マギであるジュダルの目には、弱いながらも真っ直ぐなルフを纏っているのがはっきりとわかった。
(こんなにチビなのに……)
王を選定する役目を持つマギらしく、ジュダルにはその人物が持つ器を見抜く力がある。
力強い王の素質と、小さく弱い姿。その不釣り合いな様子がジュダルの好奇心をくすぐった。
「お前、面白そうだな」
「え? おもしろい?」
困惑する白龍と、強い器を見つけて心躍らせるジュダル。それが二人のはじめての出会いだった。