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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第84話

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  第84話 「三人娘のトリプルデート」


  憂 「今日は初めてのデートかぁ・・・なんだか緊張するなぁ。梓ちゃんと純ちゃんも来るけど・・・・。」

  居間で支度している憂を歯磨きしながら見る勇。勇も何気にオシャレに気遣った服装をしている。

  勇 「憂に彼氏かぁ・・・もうそんな年になったのかぁ・・・。」

  まるで親のような言い方で言葉を溢す勇。彼の中で過去の幼い憂との思い出が過ぎる。すると、手鏡をテーブルの上において髪を束ねながら憂が言った。

  憂 「私だって2月で17だからね・・・勇兄ちゃんも和ちゃんと今日デートなんでしょ?がんばってきてね!」

  勇 「お、おお・・・って、まだ付き合えてるわけじゃないし・・・彼女はまだ受験生だしなぁ・・・・・まぁ、彼女が気分転換できればそれでいいさ。」

  憂 「勇兄ちゃん、素直じゃないね。もっと積極的にいかなきゃ!清次君を見習ってみたら?うぶなようで凄く積極的だったよ?」

  清次。憂の初である彼氏。光以上に天然な部分を持った男子高校生だ。

  勇はもどかしい想いでいっぱいだった。

  勇 (くぅ〜・・・俺だって和ちゃんが高校卒業してればがつんと積極的にいけるよ!!まだ高3だから迂闊に行動できねーんだよぉ〜!!いちおー社会人だから・・・!!)

  二人して玄関を出ると、勇が家の鍵を閉めて憂がエクスカイザーに駆け寄る。

  憂 「おはよう♪エクスカイザー!」

  エクスカイザー 『おはよう!憂!今日は随分とオシャレだね。何処かへ行くのかい?』

  憂は満面の笑みで答える。ただでさえ可愛らしい彼女が、一層可愛らしい表情を見せる。

  憂 「うん♪梓ちゃん達と一緒にトリプルデートするんだよ!」

  エクスカイザー 『そうか!憂もデートか!憂にも好きな相手が出来たんだね。頑張ってくるんだよ。』

  憂 「うん♪がばってくるね!あと、勇兄ちゃんもこれから和ちゃんとデートなんだって!」

  エクスカイザー 『あぁ、少し前から勇に聞かされていたよ。これで三人とも愛する存在が出来たわけだ。すばらしいことだ。』

  勇 「おいおい、俺は正式に付き合ってるわけじゃないって。ていうかまだ付き合うのが難しいんだって!」

  そうこうしている内に、和がやってきた。和もまたオシャレな格好でいた。かぶったベレー帽がよく似合う。オシャレに努力を使っていた事が窺える。憂が、わぁとなって駆け寄った。

  和 「みんなおはよう!」

  勇 「お、おう!おはよう!!」

  エクスカイザー 『おはよう!』

  憂 「わぁ・・・!和ちゃん、かわいい〜!」

  和 「そ、そう?クス、ありがとう!憂!あれ?そういえば唯の姿がないけど・・・。」

  勇 「唯も光とデートだ。今日は揃いに揃ってデート日和だな!」




  かくして勇と憂はそれぞれのデートへと出かける。勇とエクスカイザーに相模大野駅で降ろしてもらうと、憂はその場を後にするエクスカイザー達に手を振った。

  憂 (・・・・ふふっ♪うまくいくといいな、勇兄ちゃん!)

  純 「おーい!うーい!」

  純の呼ぶ声が憂に届く。憂が振り向くと、見知らぬ女子が彼氏と一緒にいた。こちらに手を振ってる。

  憂 「???誰???」

  純 「おーい!憂ったらー!!」

  憂 「純ちゃん!??」

  見知らぬ女子は髪を下ろした純だった。彼女はデートの為にイメチェンをしたのだ。純とわかった憂は直ぐに駆け寄った。

  憂 「ごめーん!全然わからなかったよー!純ちゃん、イメチェンしたんだねー!」

  純 「まぁね!今日の為にイメチェンしてみたんだ♪あ、紹介するね!この前のジャズ研の合コンで知り合った、池宮竜也(りゅうや)君!」

  竜也 「初めまして〜!竜也でーす!」

  憂 「こちらこそ!平沢憂です!」

  竜也 「よろしく!憂ちゃん!見ての通り、純の彼氏やってマース!ちなみに純がイメチェンしたの、俺がこっちの方が似合うって言ったからなんだぜー♪」

  初対面でも楽天的に笑顔で喋る竜也。純が顔を赤くして突っ込む。

  純 「ああ!?もう、それ私が言おうとしたのに!!こほん!とまあ・・・・その通り、私の初彼よ!!にししし!!」

  Vサインしながら何だかんだで喜ぶ純。その後ろから清次がやってきた。

  清次 「あ・・・・憂ちゃん!!もう来てたんだ!!ヤバイ、ヤバイ!!」

  憂を見るなり急いでダッシュして駆け寄ってくる。そしてお約束が炸裂。転がっていた空き缶(スチール)の真上に見事に足を乗せてスッ転ぶ。これぞ一人ジャーマンスープレックス。

  清次 「っ・・・・・!!!」

    ズドォオオッ!!

  清次 「はぶべえええ?!!」

  竜也 「おいおい・・・スゲー転び方だな。一人お笑いコントかよ・・・。」

  純 「・・・・大丈夫かよ・・・・って、え?!!」

  駆け出す憂にビックリする純。まだ現時点では清次の姿は知らなかったのだ。

  憂 「清次君!!」

  純 「憂の彼氏って・・・・まさかあれかああ?!!」

  竜也 「みたいだね・・・。」

  憂は駆け寄りながら転んだ清次を優しく起こし、持っていたハンカチですりむいた部分を拭いてあげる。もう、この時点で清次はメロメロだった。

  憂 「大丈夫??清次君?!ちょっとケガしてるよ。」

  清次 「う〜ん・・・だいじょうぶ〜・・・いてててっ。」

  この光景を歩きながら向かう俊と梓も見ていた。俊は、光以上のボケっぷりにある意味圧倒されていた。

  俊 「・・・・すげっ。光もびっくりだぜ・・・。」

  梓 「カップルというより姉弟みたいです・・・。」

  合流しあった一行は、旋風寺線の列車に乗って東京の町田に向かう。ガタンゴトンという音と共に流れていく街並みの景色を見ながら憂が嬉しそうに言う。

  憂 「隣街だけど、こうやってみんなで出掛けるなんて久しぶりだよね?なんだかわくわくする!」

  清次 「うん・・・俺もうれしい!!チョット緊張してるけど・・・。」

  憂 「ふふふ♪」

  純 「そう言われてみればそうだよね〜!しかもお互いの彼氏とトリプルデート!」

  竜也 「おう!俊や清次って何処の高校なんだ?!俺、相模大野高校!」

  清次 「俺は相模ヶ丘高校だぁ。」

  俊 「桜ヶ丘工業高校・・・・それがどうしたんだ?」

  竜也 「いやぁ、他意はないんだけどさ、デートと一緒にこうして他校のやつと遊べるのもなんか新鮮でさ!」

  俊 「ま・・・確かにな。」

  何気に彼氏勢は地味に意気投合しはじめる。ふと清次は俊の手首に装着されたダグコマンダーに目が行った。

  清次 「ん?俊君の手首にしてるソレ、何処のメーカーのなの?」

  俊 「あ?!えーとだな・・・!!!」

  憂&梓 (ダグコマンダー・・・!)

  答えづらい部分を指摘されて流石の俊も困り果てる。そんな俊を梓がカバーした。