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【朝菊(♀)/海賊パロ】 南セントレアの猟犬

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ー留守番犬ー




潮の匂いに満ちた室内で、食後の紅茶を嗜みながら自分の前で本を読んでいる人物に
目をやる。
光を全て吸収するような黒髪に、目元に影を落としている長いまつげ。
オニキスのような瞳は下を向いているため半分程しか見えないのが少し惜しい。
東洋人だからか、それとも彼女、菊が元からもつ雰囲気のせいだろうか、
その姿は神秘的で、まとっている赤いキモノが(というらしい)がそれを
いっそう際立たせている。

「キャプテン!」

部屋にノックの音が響き、船員が扉の向こうで自分を呼んだ。

「何だ。」
「敵襲です。」
「どこのどいつだ。」
「奴らは、クレイジー・ゴングと名乗っています。」
「あん?聞いたことねぇな。まあいい、今行くから準備しておけ。」
「はい!」

アーサーは椅子から立ち上がり、菊を見下ろす。

「おい、準備しろ。」
「私は、まだ本を読んでいる途中なので貴方一人で行って下さい。」
「あぁ?何言ってんだ。」
「私は弱小な虫けらを蹴散らして喜ぶような趣味はありません。」
「フンッ…じゃあ、てめぇはここで留守番してろ。部屋汚すなよ。」





血の匂いと、熱気で充満している甲板では男達が目をギラつかせながら、
それぞれ自分の得物を振るっている。アーサーとて、変わりはない。
攻めてきた奴らは想像通り、骨のない奴らばかりだったか血の気の多いアーサー
にとって暇つぶしにはもってこいだった。
一撃では殺らずに、少しずつだが確実に相手の戦意を削ぎ落としながら、
その顔が恐怖に歪んでいく様を愉しむ。
ふと、視界の隅に男が何人か自分の部屋へ向かって行くのが見えた。
行ってすぐに始末する事も出来たが、菊が部屋にいるのを思い出し、放っておく
ことにした。

「馬鹿な奴らだ。だが、久しぶりに楽しいもんが見れそうだな。」

アーサーは、ニヤリと口唇を上げると目の前にいる2人の男にとどめを刺した。