ベン・トー~if story~ vol.4
エピローグ
神代との決闘から数日経った。
あのあと神代とは一言二言、言葉を交わしただけだった。
「負けたよ、ボーイ。まさかたった1週間で、あそこまでやるようになるとは思ってなかった」
「俺が勝ったんだ。先輩からは手を引いてもらうぞ」
「ああ、約束しよう」
そんな感じでこの戦いは幕を閉じた。
そして今日も俺は、先輩達と共に戦いの場へ赴く。
「よう、魔女んとこの犬…じゃなかったな。魔女の彼氏クン」
顎ヒゲが話しかけてくる。
「顎ヒゲさん、ちっす。ってか、彼氏クンて止めてくださいって。俺は藤島です」
「まぁ、いいじゃねえか。もう皆、知ってるんだからよ」
そう。この間のレッドバロンとの決闘で、少なくとも西区の狼全員に俺と槍水先輩が交際していることが知られてしまったんだ。おかげでここ数日は皆から良いようにからかわれている。
「しかし、お前があの氷結の魔女の彼氏だったとは本当に驚いたよ。なにより、あの魔女が男に興味を持ったってのが信じられなかったからな」
今度は坊主が話しかけてくる。
「はは、確かに。あまり寄せ付けなさそうですもんね」
「前々から噂は流れてたんだ。氷結の魔女が男を作ったんじゃないか、ってな」
「そうしたら魔女の小飼のお前さんだったてわけだ」
「てっきりあの変態かと思ってたんだけどな」
ハハハと笑う顎ヒゲと坊主。
「ま、上手くやってけよ」
「はい!」
そうして今日も始まる。新たな戦いが。
「藤島、お前は何を狙う?」
「俺は…ーーー」
作品名:ベン・トー~if story~ vol.4 作家名:Dakuto