【サンプル】健やかな調べ
そんな彼女たちを物陰からのぞき込む影が二つ。
「おのれ、プリキュアども……あいつら、今度は何をするつもりだ?」
「はぁ……」
「あん? どうしたバリトン、溜め息なんて吐いて」
「バスドラ……私たちも進路について考えるべきなんじゃないですか?」
「進路ぉ? 今さら何を考えるってんだ?」
「だって私たち、上司に無理やりこんな化け物みたいな姿にされて」
「上司……ああ、ファルセットのことか」
「毎日毎日いびられるし、鞭で叩かれるし、もう耐えられません!」
「いや、まあ、うーん……」
「転職しようかな……バッドエンド王国とか、自由にやらせてもらえそうだし」
「おいおい、そんなこと言うなって。ノイズ様が復活すれば今より待遇も良くなるって」
「そうでしょうか……?」
「ああ、きっとそうだ。だからもうちょっとだけ頑張ろうぜ、な?」
「……じゃあ、もうちょっとだけ、頑張ってみます」
「よし、その意気だ! さあ、プリキュアどもを追うぞ!」
作品名:【サンプル】健やかな調べ 作家名:ヘコヘコ