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One Year Later 2

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「技術と知識を学べば、後に繋がる。・・・学ぶ気はないのか?」
「・・・よろしく。」
軽く頭を下げて、エドが頼む。本当に対照的な兄弟だ。
ホーエンハイムの息子たちが弟子か・・・不思議な縁もあるものだ。

「これで、この国のことはメドがつくハズだ・・・先ほどの申し出だが、受けるのか、受けないノカ?」
真っ直ぐに尋ねるリンに、ナギは向き合った。
「一つ質問がある。リン・ヤオ、皇帝にとって一番大事なものは何だ?」
「民だ。」
間髪を入れず即答したリンに、ナギは破顔した。
「いい答えだ。リン・ヤオ。気に入った。その申し出、受けよう。・・・と言っても一年後くらいになるかな。弟子が育つのにそれくらいの時間はかかる。」
「わかっタ・・・エド、アル、なるべく早めに覚えろよ。」
「お前に言われるまでもねぇっ」
「あ~、盛り上がっているところ悪いが、修行はボチボチするから。」
「「なんでっ!?」」
「私は薬師もしている。そっちも止める気はないんでね、お客さんもいるし。だから薬師しながら修行する。」
「なるほど。いや、そっちの方が俺たちも助かる。挨拶周りまだ終わってなかったから。」
なっとエドが言うと、うん、とアルも頷く。
「じゃ、ぼちぼち修行でこれからよろしく・・・そうだ、せっかく軍部の人とも見知った仲になったんだ、そこの元アルの大佐、北の軍とも連絡取れるか?」
「元アル・・・ロイ・マスタングだ。北・・・ブルックス兵か?」
「失礼、名前をまだ聞いてなかったもので。ブルックスという名前は知らんが白い制服の兵隊だ。こないだ錬成陣を壊そうとしたら、『ドラクマの密偵め』って言って、全く話が通じなかった。おかげで錬成陣の破壊は手付かずだ。話を通してもらえると助かる。」
「・・・善処しよう。」
「善処?・・・大佐はもしかして錬成陣を壊したくないという考えの持ち主か?」
「違うっ!!私は一刻も早く壊すことを願っているし、そうするのに助力を惜しむつもりはないっ!・・・ただ、北の兵は・・・というか彼らの上官がちょっと特殊なんだ。」
苦虫を噛み潰したような顔をする大佐に、エドは同情する。彼女の説得は一筋縄ではいかない。それと同時に安心する。これでこそ、大佐だ。
「・・・?では、その上官の説得は任せる。話が付いたら連絡してくれ。」
「わかった。・・・では、鋼の。今回の報告書を宜しく頼む。」
「はぁ!?何言ってるんだよ、自分で書けよ、現場にいるじゃないかっ!!錬成陣を壊した犯人・・・じゃなかった、え~っと、ホーエンハイムの関係者はわかったんだから、それでいいじゃねぇか。」
ギロリとナギに睨まれて、慌てて訂正する。
「そのまま報告出来るとでも?」
「?」
何か不都合でもあるのか?視線で問うたら、大佐とナギが深くため息をついた。
「鋼のにもわかるように説明するとだな、軍に報告するのにナギの名前は書いていいのか?」
「絶対ダメだ。出自がどこでバレるかわからないし、シンの宰相になる予定もあるからな。アメストリスの軍の報告書に名前なんざ残したくない。」
「だそうだ。早速弟子になった君たちの名前を書くしかなかろう。というわけで、報告書、早めにな。」
「なっ!?」
「今回、あと前の2箇所の合計3ケ所、君たちが壊したことにする。そういう報告書を書いてもらわねば・・・」
「まぁ、そういうことだ。弟子よ、これが最初の修行だ。少し事実を隠す報告書、うまく書けよ。」

大佐とナギ・・・いつの間にこんなに仲良くなったんだ!?さっきまで名前すら知らなかった気がするんだが。
とにかく、こんな腹黒大人2人組に口で勝てる気は全くしない。
弟子になったのは確かだし、それが最初の修行だと言われたら・・・やるしかないと思うのだが・・・自分だけ損な役回りだと思うのは、俺の心が狭いからだろうか。

「・・・やっぱ、考え直そうかな、弟子。」

こうして俺とアルはナギの弟子になった。

これが最初の物語。




作品名:One Year Later 2 作家名:海人