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二月某日十六時二十分 世は総てこともなし……たぶん

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 にこりと雛乃は笑う。かりかりと頭をかきながら、雪乃は身体を起こした。そして、ううんと首をひねりつつ台所へと立ち去っていく。
「ごめんね」
「大丈夫ですわ」
 彼女が部屋の襖をしめてから、緋勇は小さく謝罪を口にした。雛乃は穏やかな表情で首を横にふり、戦利品を紙袋にしまいこむ。
 失礼いたしますと部屋を出る後ろ姿を見送った後、龍麻は再度手元に残された冊子に視線を落とした。そして、気のせいかなとつぶやいた。その後、これも縁だし読んでみようと、自らのバッグを引き寄せた。


fin.