東方~宝涙仙~其の弐拾七(27)
私の前には初めて見る姿がいる。身長は霊夢くらいのスタンダード。まあ私よりかは高いわね。黒髪長髪、つり目。特徴はそんなもんかしらね。
「スカーレットォ…オマエは吸血鬼だな」
「そうよ、悪いかしら?」
「私は所詮人里の人間の能力にしか成りすましたことはなかった…。妖怪になる日が来るとはなぁ」
「妖怪と吸血鬼を同じにしないでくれる」
「このカラダッ!この体を覚えさせたオマエを感謝する!最高の敬意を払って殺してやろうじゃあないか!」
そして奴は消える。シュタシュタと飛び回るのが好きらしい。
それともコピーしたらしき私の体を手に入れて興奮したか変態。瞬発力や運動神経までコピーできるとは敵ながら褒めてやりたい。
さてどこから来るのだろうか、今はそれを警戒するしかない。
「後ろだ後ろォォッ!!」
右肩を持っていくように引っ掻かれた。
引っ掻かれたというより削がれた。
▼其の弐拾八(28)へ続く
作品名:東方~宝涙仙~其の弐拾七(27) 作家名:きんとき