大佐の新しい二つ名
「まったく・・・アルフォンスがこれだけ体にムリをして錬成しているのを身をもって知ったんだ。それなのに、今回は、無理やり会議に出させたり、記憶の錬金術のテストをしたり申し訳なかったと言っているんだ。」
「そうですね・・・ちょっと大変でしたけど、大佐の仕事も意地悪言う人がいたりして、いつも大変なんだなって分かったから、おあいこです。」
「ま、そうだな。・・・雨の日は無能だが、そうでない日は一応、頑張ってんだって分かったしな。」
お互い、違う場所でそれぞれ頑張っている。
それが分かっただけでも、魂が入れ替わった価値があるというものだ。
大変な2日間だったが、予算も通ったし、まぁ、こんな日も悪くないと思う大佐だった。
――― 軍の上層部では『泣き落としのマスタング』という二つ名が密かに流布している。
その事実を本人が知るのは、まだ先の話だ。
了