君と一緒に
つい本音が出てしまったが、それをスルーしてトウコは周りを見る。ノボリという人が言った通り、ここは医務室のようだ。
「僕が気づかなくてごめん……あそこでリタイアすればよかったのに」
「ううん。だって最後だもの。行きたくなる気持ちはわかるよ。でも――なんで私を誘ったの？ チェレンとかでもよかったのに」
「そ、それは……」
トウヤは何故か赤い顔をしており、クダリという男性は楽しげに笑っているし、何故かノボリという人も微笑んでいるように見える。
「それは？」
トウヤは言いたくなさそうだったが、つばを飲み込むと言い放った。
「トウコだから一緒に挑戦したかったの！」
なんでか私まで赤くなった。