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Ib ~とある美術館での物語(3)~

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音のした方を見ると壁に大きな穴が開いていて、その穴からは前にも見た絵から上半身だけを出した女がこちらを見てニヤニヤしていた。

「な!さっきから壁を叩く音はこいつだったの!?」

「ギャリー、早く逃げなきゃ」

「そうね・・・、それじゃあいつが開けた穴を通って逃げるわよ。離れるとまずいからアタシの手をしっかり握ってイヴ」

「うん、わかった」

イヴが手を握ったのと女を十分に引きつけたのを確認した私は一気に穴の方へ走り出した。

「な、なによコレは!?」

穴を通って外へ出てみると、どこから来たのかわからないが何体もの首のないマネキンと絵から上半身だけ出した女が居た。

マネキン達は私達に気付くと一斉にこちらへ向かって来た。

「まずい・・・、イヴ離れないように付いてきて!」

イヴの返事を待たずに私は急いで月のマークのドアへ走った。