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こらぼでほすと 解除4

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リジェネはヴェーダの中で、楽しそうにあるデータを追い駆けていた。もうすぐ、ママが宇宙に上がってくる。ヴェーダの中は案内できないが、それでも元気になってくれたら、一緒に地上に降りるつもりだ。次に降りたら、どこかへ遊びに行こう、と、ママが約束してくれた。まあ、最初は近くでいい。トダカに案内してもらったアキバを、リジェネが案内してあげてもいい。ぶらぶらと散歩して、ソフトクリームを食べて・・・いや、それなら、ジェラートかな、ううん、寒いから温かいもののほうが、ママにはいいのかな、と、そんなことを想像しつつ、ママの移動をチェックしていた。どこに居るのか、ヴェーダを掌握しているリジェネには、すぐわかる。ヘリで別荘に移動している最中に、その情報が、プツンと途切れた。

・・・・ええ?・・・・

 慌てて、周辺の状況を確認すると、ユニオンの通信が引っ掛かる。ラクス・クラインの保護に成功、なんていう報告が電波の波で飛んでいた。

・・・保護? どういうこと? ママは?・・・・

 ヘリの電圧が切れているらしい。だから、ヘリとは接触が出来ない。ヘリを搬送しているMSからの情報では、ヘリの中の人間は生きているとは判明したが、それだけだ。どこへ保護されるのか、どうして保護されるのか、それらの理由を探して、あっちこっちヴェーダの中を泳いでいたら、キラからの暗号通信だ。素早く、そちらとホットラインを繋ぐ。
「リジェネ、お願い、協力して。」
「キラ、どういうことなの? ママは? どうして予定通りじゃないの? 」
「ラクスをユニオンが拉致したんだ。ママは、巻き込まれただけ。でも、かなりの速度で飛行されてるから、ママの身体が心配な状態なんだ。・・・僕も、今から、うちのマザーで調べるんだけど、時間が惜しい。リジェネは、ユニオンのどこからの指示なのか調べてくれない? それからユニオンの軍のマザーを乗っ取っておいて。」
 時間は一刻も無駄に出来ない。電脳戦となれば、そこが重要だ。キラは、兎に角、ママと歌姫様の無事の確認をする。奪還するには、まず、その情報が重要だ。ママの無事を調べるというなら、リジェネも一も二もなく賛同する。
「わかった。そっちは任せて。とりあえず、ユニオンのほうを乗っ取っておくから。それから、ヴェーダの目からの情報も集めておく。」
「お願いするね? それから、刹那たちには、予定の地点で待機してくれるように伝えておいて。ここは、僕らで奪還する。もし、何かあったら手伝ってもらうかもしれないけど、まず、ないと言っておいて。」
 素早く、二人して必要なことを話すと、即座に通信は切れる。リジェネも目を金目にしてフルドライブの状態になる。

・・・僕のママに怪我なんかさせたら、ユニオンは壊滅させてやる・・・・


 リジェネにとっても大切なママだ。ようやく治療の目処が立ったのに、ここで死なれたら、リジェネだってたまったもんじゃない。せっかく、約束したのだ。それを果せないなんて有り得ない。

・・・そうだ、ティエリアに伝言を・・・・

 一瞬、ティエリアの意識とリンクして、それだけを伝えると、すぐにユニオンのほうに取りかかった。まずば、軍のマザー、それから政府のマザーを掌握する。そして、一方でユニオンに散らばっているヴェーダの目となるイノベイドにもリンクする。理由如何によっては、容赦なくマザーを破壊するつもりだ。人間なんて滅んでも、後から後から生まれてくる。だから、今の現政権なんか、どうでもいい、というのがリジェネのイノベイドとしての感覚だ。それなのに、ママとの約束を大切に考えている辺りが、ちょっと人間っぽくなったところかもしれない。




 ティエリアは、ランデブー地点の確認をしていた。それ以外にも、パネルを展開させて仕事をしていたが、一番気にしていたのは、そちらのことだ。ユニオンにも連邦にも察知されない場所を選んだが、周辺を航行する船やMSがないかの確認も怠れない。アレルヤが、となりのブースで補助してくれているが、どちらもちょっと浮かれていた。これが終わったら、ふたりで旅行をする予定だからだ。
 そこへリジェネから針のような通信が頭に突き刺さった。一瞬で、全ての情報は送られて来たが、それを処理すると慌てて立ち上がる。
「ティエリア? どうしたの? 」
「ニールが拉致された。」
「ええっっ? 」
「刹那は、どこだ? アレルヤ。」
「ドックでダブルオーの整備をしている。連絡する? 」
「ああ、こっちに呼んでくれ。それからロックオンも、だ。」
 アレルヤは、事情も何もわからないが、ティエリアが脳量子波でリンクしたのはわかっている。だから、まずは命令優先とばかりに連絡を取り付ける。



 キラたちがエアカーで各人バラバラに本宅へ急行して、店は静かになった。裏も表もカギを壊されているので、どうやって戸締りしようかな、と、のんびりと爾燕と紅は考えている。
「鎖でも巻いて南京錠でもかけておくか。」
「そういうことなら、そこのショッピングモールで調達できるな。」
 扉のカギを破壊されているので、防犯上、そのままにするわけにはいかないから、物資の調達に二人して走る。トダカと三蔵のほうは、壁や床の弾丸を取り除く作業をしている。ドライバーやらナイフやらで、それを削りだしている。ごりごりとコンクリートや壁を削るという地味な作業だが、やっておかないと内装業者に事態がバレる。まあ、しばらくは封鎖して、落着いてから、ちゃんと弾痕の確認もするつもりだ。
「三蔵さん、あのクスリの効力って、どんなものだい? 」
「壊れたところは修復できる。だから、歌姫が追加を飲ませてくれてりゃ、どうにかなってるはずだ。サルが予備を渡しておいたから、生きてはいる。」
「そうかい、それで安心した。・・・・なんで、うちの娘さんは、あんなに貧乏くじが好きなんだろうねぇ。感心するくらい巻き込まれる。」
 普段からラボと本宅の往復はしている。今まで、そこで襲撃を受けたことはない。たまたま、寺の女房が搭乗する時に起きているという事態には、トダカでも呆れる。どこまでも貧乏くじがついてくるらしい。
「日頃の行いが悪いんだろうぜ。あんたの娘はな、亭主の世話をおざなりにするから天罰が下ってるんだ。」
「あははは・・・・あれでも、おざなりなのかい? それは凄いな。・・・・三蔵さん、うちのも呼び出そうか? 」
 トダカが、何気なく呟いている言葉に、坊主も口元を歪める。それは禁じ手だ。
「オーヴの軍人がユニオンの空母を制圧しちまったら、連邦から袋叩きだぞ? 二度と祖国は戦場にしないって、誓ったんじゃなかったか? 」
「もちろん。オーヴは動かさない。・・・・うちのものを動かすだけだ。・・・とりあえず、キサカーズラブには一報は入れておいた。あちらでも情報収集と準備はしてくれているはずだ。大事だろ? 私の大切な娘さんを拉致されるなんてさ。売られた喧嘩なら買うのが筋だ。」
作品名:こらぼでほすと 解除4 作家名:篠義