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ゆらのと

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やがて、お咲の職場であるらしい甘味処に着いた。
店の中に入ると、店員がお咲の顔を見て、少し驚き、そして、従業員としてのものではない自然な笑顔になった。
店員に案内されて、空いている席まで進む。
テーブルを挟んで向かい合っているソファに、銀時は深々と腰かけた。
お咲は向かいのソファに座る。
それから、お咲と店員が仲の良い様子でやりとりをしつつ、注文をした。
しばらくして、銀時とお咲が注文した品が運ばれきた。
テーブルに置かれた品は、品書きにあった見本の写真よりも豪華だ。
「従業員特権よ」
お咲はいたずらっぽく笑った。
「ありがてェ」
銀時はニヤリと笑い、スプーンを手に取ると、いろいろなものが付け足されているパフェの山を崩しにかかる。
人気の店だけあって、うまい。
「いい食べっぷりねえ」
お咲は眼を細めた。
あきれているわけではなさそうだ。
むしろ、嬉しそうである。
量は多かったが、うまいうまいとどんどん食べているうちに、パフェは無くなった。
腹はふくれ、口の中には甘い余韻がまだある。
幸せだ。
「……ねぇ、銀さん」
お咲が呼びかけてきた。
その声はさっきまでと比べ、低い。
銀時はお咲を見た。
お咲の顔から明るさが消えている。
「今日こうして銀さんに会えて良かった。ちょうど、銀さんの耳に入れておきたいと思っていたことがあったから」
「なんだ、そりゃ」
何気ない様子で、銀時は深々とソファに腰かけていた身体を起こし、お咲のほうに身を寄せるように座り直した。
お咲もテーブルの上に上半身を少し傾け、銀時のほうに身を寄せてきた。
そして、小声で言う。
「銀さんの万事屋が爆破されたでしょう。あれは、もしかしたら、私のせいかもしれない」
なんだって……!
そう声をあげそうになったが、銀時はどうにか声を呑みこむ。
かなり物騒な話だ。
他の者に聞かれるのは、まずい。
だから。
「一体ェ、どーゆーことだ」
小声で聞く。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio