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ゆらのと

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「そのあとは三人でエリザベスを捜して、それで今はちょっと抜けてきて、で、夜は新八の家で鍋パーティーやるそーだ」
新八と神楽を放ってはおけないし、だが、桂を放っておくこともできない。
いや、放っておけないのではなくて、ただ会いたかった。
じっとその顔を見る。
ふと、桂は口を開く。
「良かった……!」
張りつめていた気がゆるんだ。
それを感じ取り、桂を引き寄せる。
腕に抱く。
桂は逆らわなかった。
そして。
「本当に良かった」
優しい声でつぶやいた。
腕の中で、ほっとしたようにその身体から力が抜けるのを感じた。
いとおしい。
そんな想いが胸の底から湧きあがってきた。
強く抱きしめる。
ひとの温もりはたちが悪くて、たいして想っていない相手であっても触れていると心地よくて離れがたくなることもある。
それが、もし、強く想っている相手であれば。
ずっと、ずっと長く想い続けてきた相手であれば、いっそう。
きっと、これ以上はない。
胸に満ちるものがある。
ずっと、友達のようにではなく触れたいと思っていた。
ずっと、こんなふうに抱きしめたいと思っていた。
その相手が、今、腕の中にいる。
やっと、こうすることを、ゆるされた。
それだけじゃない。
昨夜、今はきものの下に隠れている部分をあわらにして、その肌に自分の肌を重ねた。
眼のまえにあったのはまぎれもなく男の身体だったが、なんのためらいもなかった。
むしろ、強く欲した。
そうしたいと思うままに触れて、くちづけた。
ただし、緊張のせいか桂の反応は良くなかった。
そのうしろの穴に指を入れて慣らそうとすると、顔をゆがめてひどく苦しそうな様子になった。
キツい。
入らないんじゃねェか。
そう思った。
やめたほうがいいんじゃねェか。
そうも思った。
だが、やめなかった。
ここでやめたら、もう次はないかもしれない、桂の気が変わってしまうかもしれないと思った。
いや、それは言い訳で、単に、どうしても、やりたかったのだ。
無理に押し込むと、指のときとは比べものにならないぐらいに桂は痛がった。
その身体に自分の熱をぶつけ続けた。
それを、今、思い出した。
作品名:ゆらのと 作家名:hujio