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ゆらのと

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腕の中に桂がいる。
その肌に肌を重ねたこと、その身体が自分を受け入れたときのことを思い出し、つい興奮した。
しかし、その熱を静める。
夜になるまえに新八の家に行かなければならない。
そういう約束を新八と神楽にした。
だから、時間があまりない。
「……明日の夜、また来る」
そっと告げる。
「泊まるからな」
腕の中で、桂が身を堅くした。
まるでなにかを拒むように。
桂は返事しない。
まさか。
嫌なことを思いついてしまった。
銀時は桂を放し、至近距離からその顔を見る。
桂の顔は強張っていた。
その唇が動く。
だが、それが言葉をつむぐまえに、そうさせないように唇を重ねた。
まさか、おまえ。
あれっきりにするつもりじゃねェだろうな。
そう胸の中で問いかける。
ほしいものをやる、と桂は言って、そのとおりに、身体を差しだしてきた。
だから、約束をちゃんと守ったと言える。
たとえそれがあれきりだとしても。
最初からそのつもりだったかどうかは、わからない。
そのつもりではなかったが、行為のあとに、これきりにしたいと思ったのかもしれない。
かなりの激痛があったらしいのは、わかっている。
間近でその様子を見て、その身体に触れていたので、よくわかっている。
もう二度としたくないと思ったとしても、無理はない気がした。
だが。
冗談じゃねェ。
感情が激しく揺れた。
その気持ちのままに、やわらかな唇をむさぼる。
ほしいものをやると言ってその身体を差しだしてきた以上は、テメーは、少なくともその身体だけは、もう俺のものなんだよ。
そう強く思った。
けれども、言わない。
言えば、きっと桂は反発する。
俺はおまえのものじゃない、と言い返してくるだろう。
だから言わず、荒々しく、くちづける。
やがて桂の身体から力が抜けるのを感じた。
ほんの少しだけ上体を退き、桂に言う。
「いっぺん与えて、それから捨てるようなマネは、しないでくれ」
作品名:ゆらのと 作家名:hujio