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Wizard//Magica Wish −1−

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「てあっ!はぁぁ!!」


「ちょっと、美樹さん!はぁっ…はぁっ…張り切りすぎよぉ…」

「どうしたんですかマミさん!まだまだ使い魔しか現れていないですよ!?」

「でも さやかちゃん!いくらなんでもペース早いよう…」


結界内。魔法少女へと変身した さやか は止まることなくバッタバッタと倒していった。張り切る さやか とは別に、マミと まどか は息を切らしながらなんとか さやか についていった。もともと二人はマスケット銃と弓を巧みに使う遠距離タイプなので華麗に舞う剣を使う近距離タイプの さやか に合わせるのは難しいのだ。


「でも…なにか変だと思わない?鹿目さん」

「どうしたんですか、マミさん?」

「さっきから出てくる使い魔…どこかで見たことない?」

「っ!!…そういえば見覚えが…」


さやか があらかた倒してくれるため、気にはしていなかったが、よくよく見ると先ほどから現れる使い魔の姿には見覚えがあったのだ。
4足歩行で頭にはナース帽…その姿を見れば誰でも絵がかけそうな姿。


「大丈夫かい!?3人とも!!」

「わっ!!きゅ、キュウベぇ!!?」

「びっくりしたぁ…」

「もうキュウベぇ!最近姿表さなかったけどどこいってたの?」

「ごめんよマミ…それより、魔女はもうすぐ目の前だ!気を付けて!」


そんな時、どこからともなく後ろからキュウベぇが現れた。
声のトーンとは裏腹に表情は常に一緒…本当に焦っているのか?

しかし、キュウベぇの言うとおり…自分たちの進行方向の先から魔女の気配が次第に近づいてき。それと同時に、魔法少女の魔力の波動が…


「この魔力の感じ…杏子!?」

「大変!酷く魔力を消耗しているみたいだわ!急ぎましょ!」

「待ってて!杏子ちゃん!!」


さやか は先ほどまで使い魔を倒すのに精一杯だったが、杏子の魔力を感じた瞬間にその方向一直線へ走っていった。なんやかんや言って彼女も杏子が心配なのだろう。
その姿を見た まどかとマミは自然と笑顔になった。

そして、3人と一匹がたどり着いてその先には…!!


「へへっ…随分おそかったな!もう蹴りはつけそうだけどな!!」


「っ!!!!」
「えっ…嘘…」
「まさか…そんな筈ないわ…」


彼女たちは大きな空間へ出た。結界内の最深部なのであろう。
そこには魔女と交戦していた ボロボロの杏子の姿があった。
だが、3人は杏子を見て驚いていた…訳ではなかった。


「さぁて…これで止めだぁぁぁぁぁぁ!!!!」

杏子は魔女目掛けて使い慣れた槍を目の前に突き刺し、突撃を仕掛ける!!
あまりのスピードで3人は声をかけられなかった。

「佐倉さん!!!!今すぐそいつから離れて!!!!」
「きょ、杏子ぉぉぉぉ!!!!」

「ま、間に合わない!!」


グサっ…




「まぁこんなもんだろ!!…ん?…なんだ?」


杏子が刺した魔女…それは、かつてマミが交戦したことのあった魔女だ。
可愛らしいキャンディの袋を催したその顔から非常に大きな黒い物体…その笑顔が逆に恐怖を誘う・・・そう、マミが倒したはずのお菓子の魔女、『シャルロッテ』だったのだ。


「あっ…」


杏子は頭上を見上げた。
すぐそばまでシャルロッテが近づき、大きく口を開ける。

さやか は走るが間に合わない。
マミはマスケット銃を放つが数秒遅かった。
まどか は目の前で友達を一人失う恐怖で何もできなかった。


そして、ゆっくり…ゆっくりと杏子がシャルロッテの口の中へ…









「希望はまだ捨てるな」





「えっ…」



まどか の横を何かが走っていった。







−シューティングストライク!!−



杏子とシャルロッテの距離が数センチという距離…そんな時にシャルロッテの頭に2、3回爆発が起こった。
杏子は何事か、と混乱し、まどかたちの方角を見る。


まどか と杏子の中間地点に、自分たちとは違う一人の人影があった。



「危ない…今のはやばかったな」



全身黒いローブで身を包み、腰には「手」を催した奇妙なベルト、右手には銀色の銃、顔は赤い宝石にバイザーをつけたような仮面を装着していた。

そんな彼にシャルロッテは猛スピードで襲っていった。
大きく口を開け牙を出す…丸呑みするつもりなのだろう。


−ルパッチマジックタッチゴー!『バインド』プリーズ!−
「お前は少し黙ってろ!その方が絶対ウケはいいぞ?」


瞬間、男は手を前に差し出し、赤い円型の魔法陣を出現させる。するとその魔法陣から何本もの拘束具が出現し、シャルロッテの身を封じ込める。図体とは裏腹な尋常じゃないスピードは一瞬で止められてしまった。


「なんだ…あいつ…」



「マミさん…あれって…」
「ごめんなさい…私も正直驚いてるわ…」


驚いている3人とは別に、まどかは微かに目に光を宿しながら彼の姿を凝視する。
絶望しかなかった状況下に現れた一筋の希望の光。


そう、その姿…その姿は…!


「仮面…ライダー…」




−ルパッチマジックタッチゴー−

「フィナーレだ」

−チョーイイネ!『キックストライク』サイコー!!−


彼の足元に大きな魔法陣が出現し、両足に魔力でできた炎の塊が凝縮する。
そのまま大きくジャンプし、シャルロッテ目掛けて急降下する!!


「ハァァァァァ!!!!」


その場で、大爆発が起こった。
いつの間にか杏子は3人の元へ退避しており、爆炎に巻き込まれないように まどか は瞬時に防御魔法を発動させた。

「ど、どうなったの?」

爆炎が晴れたそこには、横たわるシャルロッテの姿と仮面の男だけだった。


「さて、俺じゃ魔女は倒せないからな」
−『リボーン』プリーズ!−


仮面の男は魔法を発動させ、右手をシャルロッテに掲げる。
するとシャルロッテは消滅し、グリーフシードが出現した…そして、グリーフシードはそのまま形を変え、指輪のような物体へと変化した。

「ふ~ん…あんまし使えなさそうな指輪だな」


「あ、あの!」
「ん?」


いつの間にか、仮面の男の近くには まどか が立っていた。


「杏子ちゃんを助けてくれてありがとうございました!えっと…なんてお礼すれば良いか…」

「お礼なんて必要ないよ」

「え?」


まどか に続き、マミ達もその仮面の男の元へやってきた。
十分に怪しい人物だが、まどか と普通に会話している姿を見て、安心したのだろう。


「あ、あんたも魔法…少女なの?」

「へ?俺は男だよ」

「魔法…使い?魔法使いなんですか?」

「そう、魔法使い」


「な、なぁ!さっきは助かったよ!悪いな!!」

「そうだな、君に死なれちゃまずかったしね」

「…?」

「…さてと、それじゃあ、ま」




「みんな!今すぐそいつから離れるんだ!!」


瞬間、後ろからキュウベぇの声がその場に響き渡った。
4人は何事か…と後ろを振り返る。


「君たちのソウルジェム、俺に頂戴」


「えっ…っ!!!?」




剣と槍のぶつかる音が響き渡る。
杏子があと1秒判断が遅れたら大変な事になっていただろう。
作品名:Wizard//Magica Wish −1− 作家名:a-o-w