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こらぼでほすと 解除5

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「この間、読んだ本に面白い記述がございました。・・・・鳥の脳というのは、他の哺乳類に比べると比率としては容量が大きいそうです。ただ、脳が記憶という部分では発達していないそうで、鳥頭と比喩されるように記憶に関しては忘れっぽいのだそうです。その代わり、観察して行動することには長けているので、カラスなどが道具を使って狩りをすることがあるそうですよ? 」
 いつものように歌姫様はママに話しかけている。いつもなら、「ふーん。」 とか、「すごいなあ。」 とか、いう相槌が返って来るが、今日は、そこいらはあったということでスルーする。こしこしと磨くと爪は光る。この程度ですかしら、と、次の指に移る。手が終わって、それでも時間があったら足も磨いてみよう、と、考えている。



 ラボのほうで、ハイネはやれやれと管制室でコーヒーを口にしていた。ようやく、一息つける状況だ。強奪したと言われては迷惑だから、奪ったMSは、別荘の敷地の外で棄ててきた。回収したければ、どうぞ、というところだ。
「ご苦労さんだったな? ハイネ。でも、まだ、これからなんだけどな。」
 鷹のほうも優雅にコーヒーを飲んでいる。キラの指示待ちだから、手持ち無沙汰だ。すでにシンとレイは空母の上空で待機しているし、ジェットストリームな護衛陣も現地近くへ飛行中だ。
「わーってるよ、鷹さん。奪取の手伝いしてジェットでオーヴへ飛んで、それからママニャンの治療だ。・・・・携帯食料ぐらいは食っておこうかな。いや、シャトルに搭乗したら、メシ食う時間はあるな。」
「メシより睡眠じゃないか? 」
「仕事量によるんじゃないか? もう一度、空母に戻ってMSと遣り合うぐらいなら、空腹になるぐらいだ。」
「そういうもんかねぇ。」
 一応、大まかな作戦内容は説明された。ハイネの担当は、悟空たちの移動の足だ。大型のヘリを抱えて飛び、空母に下ろして待機することになっている。オーナーたちの居場所は、すでに判明している。オーナーが持っているハロは特殊な電磁波を発生させるから、それで察知できる。鉛の分厚い壁で囲まれていなければ、その電磁波はレーダーで拾える。そしてニールの身体にも、発信機が仕込まれている。こちらも特殊なもので、普通のレーダーには反応しない領域のパルスを出している。どちらも同じ場所にあるので、奪還は比較的楽だ。
「ヘリは、どこから? 」
「お父さんの伝手で、某国の関係がある民間会社から。」
「まんまオーヴだろ? 俺に伏字にする意味ねぇーぞ? 」
「一応、作戦中だから伏字にしてるんだよ。十五人乗りの大型だ。落とすなよ? 」
「はいはい、わかってるよ。それ、引き取りに行かなくていいのか? 」
「本宅までは、あちらから配送。本宅からはイザークとディアッカが護衛して、こっちに来る。そこからは、おまえさん。」
「パイロットは? 」
「どっかのラブリーダーの人だ。何かあった場合を考えて、ここまでは運んでくれる。ここからはイザークがパイロットとして乗る。だから、ヘリ単体で飛ぶことは可能だからな。」
 一応、大事をとって、二機のヘリで来ることになっている。問題がなければ、某親衛隊リーダーの人は、そちらに移って戻る予定だ。虎たちがエターナルで待機しているから、どうしても人員が少ない。そこいらのフォローはしてくれているらしい。
「ママニャン、帰って来たら、俺は厄除けデートに誘うぞ? ハイネ。」
「あー、それは正解かもしれないな、鷹さん。なんか悪いモンが憑いてるとしか思えねぇーよ。」
 今までなかった襲撃に出食わすという事態が、本当に貧乏くじだ。それも当人は意識もなくて、どうにもできない状態だと言うんだから、何か前世でよっぽど悪いことでもしたのか、悪霊にでも取り憑かれているとしか思えない運の悪さなので、ハイネも大笑いする。
「そろそろヘリが到着する。スタンバっておけ。」
「了解。じゃあ、ちょっくらオーナーのお迎えに行って来るぜ。」
 軽口を叩きながら、ハイネも管制室を後にする。それほど緊張する任務ではない。このぐらいフェイスなら朝飯前だ。ただし、運の悪いママニャンのために腹いせに空母の甲板ぐらいは足元がふらついたとか言って破壊してやろうとは思っている。
 格納庫に降りて、フリーダムに乗り込む。これなら速度も出るし小回りも利く。ユニオンの姑息な作戦には、ハイネもカッカしているが、それで気持ちをかき乱されることはない。


・・・・なあ、ママニャン。たぶん、これで悪霊も排除されると思うからさ。貧乏くじも、これで最後だ・・・・・・

 メインパネルを操作しつつ、ハイネも内心で呟く。これだけ貧乏くじを引き続けたのだから、そろそろ好転するだろう。治療が終わって地上に戻ったら宝くじでも買うように勧めてやろう、と、微笑んだ。
「フリーダム、ヴェステンフルス宅急便出るぞっっ。」
「おう、さっさと荷物を回収してこい。」
 ヘリは、すでに、別荘の敷地に入っている。滑走路上に降りてもらい、そこでパイロットが入れ替わったら出発だ。ヘリの中には、対人間組が全員乗っている。この爆弾は、ユニオンも知らない。
作品名:こらぼでほすと 解除5 作家名:篠義