新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第89話
第89話 「闇に轟く熱血!!!」
カイゼルファイヤーのコックピットモニターのスクリーンに巨人の魔女が映る。グオン、グ
オンという静かな動力炉のような音がコックピット内に響く中、エネルギー管制をするさやかが
魔力を送り込む。
さやか 「それじゃあ・・・あたしの魔力を送るわっ!!」
さやかが握るコントロールレバーから魔力が送られる。送られた魔力は自動的にプラスエネ
ルギーに転換されていく。だが、この時に消費される自分の魔力に憂いを感じていた。
キュイイイイッッッ!!!
さやかのコントロールレバーのクリアーパーツが発光する。魔力が、カイゼルファイヤーの
エネルギーに転換されていく。
そして琢磨は、気合を十分にレバーを押し込みながらカイゼルファイヤーを加速させた。背
中の翼が展開し、オレンジの炎を噴射される。
琢磨 「それじゃぁっいくぜっっ!!!おおおおおお!!!」
カイゼルファイヤー 『おおおおお!!!』
ギュウィイイイッッ、ギュディオオオオオオオオオオッッッ!!!
人機一体となり、巨人の魔女に加速していく。巨人の魔女もファイティングポーズをとって
構えた。
巨人の魔女 「ッ・・・・キケケアッ!!!」
カイゼルファイヤー&琢磨 『おおおおおおっっ!!!』
巨人の魔女 「キキュアアアアアアッ!!!」
ドォガオオオオオオオオオンッッ!!!
鋼の拳と魔の拳が激突する。巨人の魔女は素早くパンチやチョップを繰り出す。
シュッッ、ガギョゴオオオンッ、ディガアアッッ、ドォドォドォゴオオンッッ!!!
カイゼルファイヤー 『くうっッ・・・!!!』
琢磨 「ぐあああああッ・・・・衝撃がすげえええ!!!」
さやか 「くぅうううっ・・・!!」
コックピット内に打撃攻撃の衝撃が走る。直ぐに琢磨は歯を食いしばって、攻撃を加える。
琢磨 「っやろおおおおお!!!」
ギンッッ・・・!!!
カイゼルファイヤー 『おおおおおっっ!!!』
カイゼルファイヤーの目が光り、アッパーとフックが連続で繰り出される。
ドォガアオオオオオオンッッ、ガガドォドォゴオオオオオオッッ!!!
琢磨 「っっしゃあああっ!!!」
最後に直撃のパンチが腹部に入った。琢磨も初めて攻撃が炸裂したことに爽快感を覚えた。
だが、その直後に攻撃に耐えた巨人の魔女は、ニーキックを見舞う。
巨人の魔女 「・・・・!!!」
ドォズガアアアアアアアアッッ!!!
カイゼルファイヤー 『ぐうっ・・・・!!!』
その攻撃をきっかけに、巨人の魔女は、殴る蹴るの攻撃を連続で繰り出した。カイゼルファ
イヤーのボディーに下段蹴りとヘッドユニットへの殴打が襲う。
ドォガオオオオッ!!! ガゴオオンッ、ガドォゴオオオッ、ゴガオオオンッッ!!!
カイゼルファイヤー 『がはっ!!ぐおおおおっっ!!!』
琢磨 「デカイ魔女って、こんな強いのか?!!っちくしょおおっ・・・!!!」
ギュグオッッ・・・・ドォガオオオオオオンッ!!!
再びカイゼルファイヤーのアッパーが巨人の魔女に炸裂する。その直後も、連続でパンチを
叩き込んでいく。
ドォガゴオオオッ、ズガギャンッ、ガゴアアアッ、ディガズンッッ!!!
カイゼルファイヤー 『はぁあああああっっ!!!』
ゴォドォガアアアアアアアンッッ!!!
エルボーが巨人の魔女の胸に炸裂。だが、次の瞬間に重い直撃の蹴りが、カイゼルファイヤ
ーに炸裂。後方へと吹っ飛ばされてしまう。
ゴォオオッッ・・・・・ドォガギャアアアアアアンッッ!!!
カイゼルファイヤー 『ぐおおおおおお!!!』
ズズズズガガガギャアアア・・・・
琢磨 「があっ・・・!!!」
さやか 「ああっ・・・!!!」
スライドするように地面に背を向けて倒れるカイゼルファイヤー。巨人の魔女はダッシュし
ながら、容赦なく次の攻撃を加える。
ドドドドドドドドド・・・シュドォッッ・・・ドォッズガアアアアアアアンッッ!!!
ジャンプしてからのニーボンバー。いきなり先ほどの攻撃の衝撃を上回る強力な衝撃が襲っ
た。
カイゼルファイヤー 『ぐぅおっっ――――!!!』
琢磨 「わあああああああ!!!」
さやか 「きゃあああああああ?!!」
ニーボンバーを浴びせたその状態から立ち上がった魔女は、連続でカイゼルファイヤーの胸
部を蹴りまくる。
ガアアアアンッ!!! ドォズガアアアアンッッ!!! ギャガゴオオオオッッ!!!
ドォオオオオッ!!!
カイゼルファイヤー 『ぐがっっっ・・・ぐほおおおぉ・・・!!!』
そして巨人の魔女はカイゼルファイヤーの頭を掴んで持ち上げる。カイゼルファイヤーのヘ
ッドユニットに勇士朗を苦しめたマイナスエネルギー波が襲った。
ヴィギガアアアアアアアアッ・・・・ギャギギギギギギギギイイイイ!!!
カイゼルファイヤー 『がああああああああ!!!』
プラスエネルギーと相反するエネルギー波。デストリアンやドライアス達のエネルギーと酷
似したマイナスエネルギーが、カイゼルファイヤーの頭からつま先に掛けて奔る。
無論、コックピット内も例外ではない。琢磨とさやかに容赦ない攻撃が襲う。
琢磨 「があああああ?!!なんだこれえええ?!!」
さやか 「っっ・・・・ああああうっっ!!!うああああああああ・・・ああああっっ・・
・!!!」
さやかの身体に奔るマイナスエネルギー。それはソウルジェムをも蝕む。故に苦しみがダイ
レクトに襲う。叫ぶさやかの声が琢磨の怒りのボルテージを上げた。
琢磨 「さやかちゃん・・・・・・魔女のヤロウっ・・・くそったれええええっっ!!!」
グンッ・・・・・ドォガゴオオオオオオオオオオオッッ!!!
巨人の魔女 「ギヒイイイイイイイイ?!!」
持ち上がったカイゼルファイヤーの右脚が、あのジャイアント馬場の必殺技のような蹴りを
繰り出した。吹っ飛ぶ魔女。
カイゼルファイヤーは、受身を取りながら倒れた。
ドォオオオオオオオンッッ・・・!!!
琢磨 「っ・・・・・・さやかちゃん!!!大丈夫か?!!」
気に掛けた彼女のソウルジェムは半分が穢れていた。息を切らしながらぐったりしている。
だが、それでも彼女は、レバーを離さないでいた。
さやか 「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・何これ?結局変わらないじゃない・・
・・!!!」
初めは力を得たかのようなテンションだったが、魔女の攻撃に圧倒されたがゆえに、何も変
わらないという絶望感にさらされていた。琢磨も期待外れの力に憤った。
琢磨 「・・・・そうだ!!!これじゃ意味ないぜっっ!!!」
作品名:新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第89話 作家名:Kブレイヴ