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新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第89話

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  カイゼルファイヤー 『・・・今のエネルギー状態では奴と戦うのにまだ足りない!!!』

  琢磨 「勇者のくせに言い訳かよ?!!」

  カイゼルファイヤー 『誤解するな!!琢磨っっ!!!さやか、全開で力を注ぐんだ!!!』

  今の状況下では普通に考えれば無理な話だ。さやかも憤った。

  さやか 「無理に決まってるでしょ?!!今ので魔力が・・・・!!!」

  琢磨 「おい、無理させるなよ?!!さやかちゃんをこれ以上苦しめるんだったら降りたほ
うがマシだ!!!」

  カイゼルファイヤー 『誤解だと言っているっっ!!!だまされたと思って今ある力を全開
で注ぐんだ・・・!!!』

  そうこうしている内に、再び巨人の魔女が起き上がった。再び歩を進めてカイゼルファイヤ
ーに迫る。近づく地響きが危機感に拍車を掛ける。

    ズウウウン・・・・ズウウウン・・・・ズウウウン・・・

  カイゼルファイヤーの言っている言葉は合っていた。夏季以前のデストリアン等であれば、
問題ない戦闘力を持っていた。

  さらに言えば、本来は普通の人一倍勇気を持った知的使命体の二名がいれば問題はない戦闘
力であった。

  だが、ハカイジュウ大災害以降、昨今の敵達は、強力な者達が増え続けている。従来のエネ
ルギーでは対抗しきれない敵に直面しているのだ。さやかの通常の魔力を賭しても十分でなかっ
た。

  だが、そこが要のポイントだということをカイゼルファイヤーは気づいていた。故に魔力全
開を薦めるのだ。

    ズウウウン・・・・ズウウウン・・・・ズウウウン・・・・ズウウウウウン・・・

  さやか 「くっ・・・・・!!!」

  さやかは葛藤しながら迫る地響きに焦りを募らす。

    ズウウウン・・・・ズンンッッッ・・・ズウウウン・・・!!! 

  このままではやられるのも必死。さやかはやけくそと言わんばかりに魔力を全開でカイゼル
ファイヤーに注いだ。  

  さやか 「ッ・・・・もう、こうなったらやるしかないっ・・・・・・じゃんっっ!!!」

    キュヴィアアアアアアアアアアアアッッ・・・・!!!

  魔力全開のエネルギーがカイゼルファイヤーに注ぎ込まれる。そしてこの瞬間にカイゼルフ
ァイヤーの両眼が光った。全開の魔力のエネルギーが、カイゼルファイヤーに迸る。

    ヴィギイイイインッ!! ドォオオオオオオオオオオオッッ!!!

  カイゼルファイヤー 『おおおおおおおっっ!!!』

  巨人の魔女 「?!!?」

  コックピット内が、エメラルドグリーンの光に包まれた。炎のバックスラスターエネルギー
を噴射させながら再び起き上がり、カイゼルファイヤーは琢磨に促す。琢磨は、何が起こったの
か判らぬまま、気合と勢いで闘争心を奔らせた。

  カイゼルファイヤー 『反撃だっッ!!!』

  琢磨 「え?!!しゃあああああ!!!でも一体何が?!!」

  カイゼルファイヤー 『彼女の持てる全エネルギーが、私を駆け巡った!!!このエナジー
が必要だったのだ!!!』

  琢磨 「けど、さやかちゃんの魔力は?!!」

  さやかの全力の魔力がカイゼルファイヤーに駆け巡ったが、このままでは彼女は魔女と化し
てしまう。しかし、カイゼルファイヤーはそのことについて問題ないことを解説した。

  カイゼルファイヤー 『彼女の持つ力は、私の中でプラスエネルギーに転換され私のエネル
ギーとなる。そして彼女にもプラスエネルギーが上乗せされた力に転換される。そこから再び私
のエネルギーに転換される。私の中にいる限りは、彼女の力は無限のエネルギーサイクルで力を
維持できるんだ。』

  さやか 「それじゃ、加減する必要がなかったってわけ?!初めにもっと詳しく説明してよ
ねー!!!」

  カイゼルファイヤー 『すまない。』

  さやか 『けど、さっきあんなに汚れたソウルジェムがまた元に戻ってる??なんで??さ
っきもそうだったよ!!これも今言った事と関係あるの?!!』

  カイゼルファイヤー 『ソウルジェムというのがなんだか判らないが、今言ったように上乗
せされたプラスエネルギーがそれに影響しているんだろう。』

  カイゼルファイヤー自身はソウルジェムや魔法少女について知らない為にハッキリとは言え
なかった。だが、事実上、プラスエネルギーがソウルジェムを浄化する現象がここで起こってい
たのだ。

  さやか 「それじゃあ、もう、グリーフシードは要らないって事か!!でも、魔女は斃さな
きゃねっっ!!!」

  逆転の予感に、琢磨の高揚感と闘争心のボルテージが上がる。


           BGM ♪ 「未来系アイドル」 Vo.さやか


  琢磨 「おおおおおおおおっっ!!!」

    ギュドォヴァアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!

  炎のエネルギーを噴射させてこれまでにない加速力で突っ込んでいくカイゼルファイヤー。

  ショルダータックルが巨人の魔女に炸裂する。

    ドォゴオオオオオォォォォ・・・・・ディガギャガアアアアアアアアンッッッ!!!

  巨人の魔女 「キヒキイイイッッ・・・!!?」

  続けて重いアッパーとキックが連続で炸裂する。巨人の魔女は、後方へと思いっきり吹っ飛
ばされた。

    ガドォゴオオオオオオオッッ、ギャズドォオオオオオオオオンッッ!!!

  カイゼルファイヤー 『今だっっ!!!胸のカイゼルブレードでアタックする!!!さやか
もバックアップを頼むぞ!!!』

  琢磨 「カイゼルブレードッ?!!剣か!!!よっしゃあああああ!!!」

  さやか 「オッケーッ!!もっと魔力全開っっ!!!」

  カイゼルファイヤーは胸に装備されたブレード、カイゼルブレードを装備した。天に向けて
かざすと、エネルギーを放ちながら刀身が伸びた。

  カイゼルファイヤー&琢磨 『カイゼルブレードッッ!!!』

  刀身にさやかのエネルギーが付加され、さらにエネルギーを放つ。奇しくも彼女の武器と同
じブレード。琢磨のテンションも高ぶる。

  琢磨 「へへへっ、俺達の武器もブレードか!!!さやかちゃんと一緒だな!!!いっくぜ
ええええええ!!!」

    ギュゴオオオオオオオオオオオオッッ!!!

  カイゼルファイヤー 『おおおおおおおおおおお!!!』

  カイゼルブレードを振りかぶって突っ込む。起き上がった巨人の魔女に袈裟斬りの一撃が初
めに炸裂する。

    ギュゴオオオオオオオッ・・・・ザギャシュウウウウウウウウンッッ!!!

  巨人の魔女 「キケオオオオッッ・・・・!!!」

  加速力も加わり、胸部を斬られながら吹っ飛ぶ。これを追うように、カイゼルファイヤーは
両足の裏から炎を噴射させて、スライドするように加速した。

    ドドォオオオオオオオオオオオッッ・・・・!!!

    シュゴオオオオオオオ・・・・・・ドォゴガアアアアアアアアンッッ!!! ドォオオ
オオオオオオッッ!!!