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The British Museum

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昼間と違って夜はやはり上着一枚では肌寒かった。
そして、当然アルフレッドの予想通り正面の入り口は
鉄の柵でしっかり閉じられていて開いていない。
昼間の太陽の光を浴びて誇り高くそびえ立っている姿とは打って変わり、
夜の闇に少ない電燈で照らされるその風貌は重々しい。

「やっぱりもう今日はやっていないみたいなんだぞ。また明日…」
「裏だ。裏の方に回れ。」

やれやれと、アルフレッドは右を向きナイトに言われた通り博物館の裏側へと向かった。
博物館は高い赤レンガの塀に囲まれている。
敷地もそれなりに広いから、距離も結構ある。
店はとっくに閉まっており、人通りも少ない。
道には植えられた木と薄暗い電燈がぽつぽつとあるだけだ。
ぽつんと職員なんかが出入りしているらしい扉が見えてきた。
ほとんど変わらない風景に飽きてきたアルフレッドが、もう明日にしよう、と言おうと
した時、ようやくレンガばかりの塀に裏口のような扉が見えた。
アルフレッドは少し早足で近寄り試しに取手に手をかけて回してみたが、
案の定カギがかかっていた。

「やっぱり開かないんだぞ。」
「ちょっと待ってろ。」

ナイトはそう言ってアルフレッドのポケットから出ると、扉と地面の隙間から入り込み
中へ入った。しばらくしてカチャと音が鳴り、中からナイトの声がした。

「開けていいぞ。」

言われて、取っ手を回してみると今度はすんなり開いた。
キィーッという音と共に中へ入るとやはり暗く、アルフレッドは何だか悪いことを
しているようで注意深く扉を閉めた。
ナイトを探して視線を泳がせていると、足元で声がした。

「おい、こっちだ。」

アルフレッドが気づいたのを確認すると小さい体がぴょんぴょんと跳ねて進み、
急いで急いで追いかけた。
またしても裏口のような所から中へ入り照明がぼんやりついているだけの
薄暗く狭い廊下を進む。
コツコツ、カンカンと足音が響くだけの入り組んだ廊下を歩いていくと、
受付のある天井が吹き抜けのホール―Great Court―に着いた。
いつもと違い真っ暗なその空間に少し怖くなり、足がすくむ。

「速くしろ!」

ハッとして、急いでナイトの後を追いかける。
階段で3Fに上り中世のヨーロッパのコーナーへ向かう。
足元の薄暗い照明を頼りに進んでいると何やらヒソヒソと声がする。

「なんか、声が聞こえる気がするんだぞ…」

ガシャンッ!



作品名:The British Museum 作家名:Sajyun