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Episode 3

「こんな所によそ者がいるとはな。お前何者だ！」

音のした方に振り向くと、そこには１５世紀の鎧をを着た人が剣をかまえていた。
いや、本当に人なのだろうか。

「フン、口を割らないならこちらから割らせるのみ！！」

咄嗟のことに、足が縫い付けられたように動かず腕で頭を守る。

「やめろアーマー！」

目の前がパッと光り、おそるおそる目を開けると剣を振りかざす直前の鎧がアルフレッドの
前で制止していた。まるで、ＤＶＤの一時停止ボタンを押したみたいだ。

「アル？」

聞いたことのある、というかよく聞く過保護な義兄の声が聞こえ呼ばれた方に目を向けた。

「アーサー？何でキミがこんな所にいるんだい？」
「それはこっちのセリフだ。もう閉館時間はとっくに過ぎてるだろう。
どうやって入ってきたんだ。」

アルフレッドは鎧から距離をとると深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

「それは、ナイトが俺にここに来てくれって…」
「あぁ？ナイト？お前の好きなチェスのナイトか？」

アーサーはいつの間にかアルフレッドのジーパンの裾に隠れるようにして立っている
ナイトに視線を移した。

「どういうことだ、ナイト。」
「そ、それは…」
「キミの女王が何か大変な事件に巻き込まれているんじゃないのかい？」
「女王が？そんな報告聞いてねえぞ。」
「あっ…」

ナイトは居心地が悪そうに縮みこませる。（といっても、彼は生身ではないのでそのように
見えただけだが）

「無事に連れてきてくださってありがとうございます、ナイトさん。」

アルフレッド達が向かっていた方向から、小柄で全身真っ黒な人影がこちらに向かって
きた。近づいてくるとその影の様相がはっきりとしてきた。
肩につかないくらいのストレートな黒髪に、何を移しているのか分からない黒い大きな瞳、
そして真っ黒なスーツを着ていた。