Angel Beats! ~君と~
紙をポケットの中にしまいこみ、何処かへ向かう。
「あ!岩沢さん何処へ行くの!?」
すぐさまに岩沢の所に向かう関根。
今日は色々な人に絡まれる日みたいだ。
バシャバシャと水が弾ける音が日向の耳に入る。その音は快く、さっきのゆりの攻撃がゴミの様に思えてくる。
『じゃあ、誕生日プレゼントはウィニングボールが良いです』
『ウィニングボール……それで良いのか?』
『あ、勿論ひなっち先輩のですよ♪』
『って事は俺で試合を終わらせたボールか…』
『無理ですか?』
『(げ!?その上目遣いは反則だ!アウトだ!)』
『お願いです。あたし、一度でも良いからウィニングボールを貰いたいんです』
『どうして?』
『あたし、動けないから…』
『(そっか…ユイの奴…体、動かないんだよな……下半身が動けない分、運動制限がかかるよな……出来るだけやってみるか………)よし!分かった!お前の願いを聞いてやんよ!!』
『やったーーー!でもやんよって…プっ』
『わ、笑うな!』
(……ウィニングボール…か)
ユイの為、これしか頭に無かった。
(でも何で野球だって解ったんだ…?)
日向は一度も会話の中で『野球』とは言わなかった。それなのに何故、ユイは『ウィニングボール』を言ったのか。それとも、ユイの中では球技大会=野球なのか。
「おーい、日向」
「何だ音無?」
「ゆりが集まれ~ってさ」
「そうか」
「はい!皆注目!!」
と言っているが正直、何処へ注目していいか判らない。ベンチ側を見るとまだ大山は気絶している。
「大山、可哀想に……」
「違ぁぁう!私に注目よ!!」
「ゆりっぺさん、本題に入りましょう」
さりげない突っ込みをかますと、コホンと咳払いをし早速本題に入る。
「今までのは遊びだと思いなさい」
「そんな……ゆりっぺ…俺との付き合いは……遊びだったのか…?」
とてつもない勘違いをしている者が一人だけ居る。
ゆりっぺ一筋のアイツだ。
「誰が貴方と付き合うかーーーーーーー!!」
日向「うわぁ、ゆりっぺって魔性の女だな…」
関根「ゆりっぺやるねぇ~」
遊佐「やりますねゆりっぺさん」
「付き合ってねぇよ!!魔性の女でもねぇよ!!囃(はや)し立てるの止めろぉぉおおお!!」
肩で息をすると落ち着きを取り戻す。
それぞれに突っ込みを入れるが 何か忘れている。
「え~っと何の話をしようとしたんだっけ……?」
「野田と遊びで付き合っていた事」
「あ、そうそう――――――」
次の瞬間、藤巻の視界が暗くなった。いや、正確に言えば気絶した。更に正確に言うと顔面目掛けて、手刀で思いっきり叩きつけたのだ。
『藤巻ぃぃぃいいい』
一同は叫ぶがそれだけでは意識は戻らない。
「はい、皆私に注目よ」
「おい、ゆり藤巻はどうするんだ?」
「死にはしないわ。後で起こしましょう」
的確な指示(ゆり曰く)を出すと早速本題にやっと入る。
「全国大会優勝者は『小枝(こえだ) 凛(りん)』って言う人よ。さっきのピッチャーとは比べ物が無いと思うわ」
あのピッチャーでさえ比べ物にならないとは、それ程凄いピッチャーなのだろう。
「勝てるのかゆりっぺ?」
恐らく勝てる保証なんて言うのは無い。
そこで、ゆりは皆をやる気を出させる為ある提案を出す。
「勝ったら私とデートね☆」
男共(音無、野田を除く)『おえええええええぇぇぇ!』
ある者は酔っぱらった親父の様にゲロを吐く者や、絶望したりする者や、ゆりに対する感情表現は様々だ。
「私とデートするのがそんなに嫌かお前達(まえら)ぁぁぁああああ!!魅力的だろ!!何処が嫌なんだ私の!!」
「いいぞ!!その話に乗ったぞゆりっぺ!!」
乗させてはいけない者が居た事をゆりは忘れていた。
To Be Continued
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影